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【復刻】 003 南部とシリコンバレー比較 その2 19970915

前回では、地理的な比較をしましたので、今回は人種的の構成比率でシリコンバレーを比べてみたいと思います。南部とシリコンバレーだけですとデータが偏りますので、全米での比較を入れてみたいと思います。手元にあるデータで比べると以下のようになります。

人種構成比較
 全米   North Carolina Silicon Valley
 白人   83%   75.6%   58.2%
 黒人   12.5%   22%   3.5%
 中南米系  10%   1.2%   21.0%
 アジア系  3.4%   0.8%   16.8%
 土着系  0.8%   1.2%   0.4%
(インディアン、エスキモーなど)
 全米とNorth Carolinaについては、The World Almanac of the USA 1996版による。
 Silicon ValleyについてはMcCormack’s GuideのSanta Clara County‘97による。

この表をご覧いただくとわかりますように、以前住んでいたNorth Carolinaは全米平均から見ると黒人が多く、アジア系中南米系がかなり少ないことがわかります。それに対して、シリコンバレーは黒人が少なく、アジア系、中南米系がずいぶんと多いことがわかります。その結果白人の割合は60%を切っています。街中を見ると、アジア系はどこでも目に付きます。とても多いなあ、というのが実感です。では、このことがどのように日常生活に反映されているかを見てみると、これが実に多岐にわたります。これを、具体例で見てみます。

食料品の豊富さに驚き!
シリコンバレーの会社で、成長著しいS社はネットワーク言語とハードウェア関係のビジネスで今やFortuneランクの200位にまで成長している会社ですが、そこの米国代表の人と話しをする機会がありました。そこで働くエンジニアのレベルについて、優秀な順に、中国人、インド人、イギリス人、そしてアメリカ人というランク付けを言っておれれました。そして、開発は米国のシリコンバレーで集中的に行っているとのことでした。このような背景があるので、生活物資もその存在を反映しています。以前いた南部の街では、韓国人経営の東洋食品関連の販売店がありました。それも、(今から見ると)あまり規模も大きくなくて、取り揃えてある食材は、韓国のものが中心でそれに、日本のものが付け加わる程度でした。それでも、異国の地で日本の食品が手に入るのはとてもありがたく、また、随分役立って助かりました。


ところが、このシリコンバレーではその様子が少し変わります。中国人系の食品スーパーがいろいろなところにあります。そして、その規模たるや、ほとんど食料品と日用雑貨だけですが、米国のスーパーに負けない大きさを持っています。そこで売られているものは、中華食材は当然として、韓国、日本を含めて、ほぼ必要なものは何でもあります。日本で売れ筋のビールであるA社のスーパー○○○などは、缶入り6本が$4しない価格で並んでいます。いったい$1は¥ベースでは本当にいくらなのかと疑ってしまいます。それだけでなく、その店は食材をカバーする範囲が広く、私などは世の中にはこんな食材を利用している民族がいるということを、その食品の存在から実感として感じす。
当然米国の食料品も並んでいますし、それ以外にはあひるの水掻きとか、良く分からない内臓の加工食品とか、中華麺だけで10種類以上ある陳列棚とか見ていると、このような食材から世界の広がりをのぞいた気になります。多分、香港やシンガポールなどの市場の持つ迫力が入いっているのではないかと思います。そして、店の中がざわざわして、決してきれいではないのですが、なぜか落ち着く感じがします。これは、私がアジア系であることと共通するところがあるのだと思いますし、マーケットの活気は多分民族の持つ活力、あるいは民族を支えるロジスティック思想の反映ではないかと思います。この一方日本人食料品店はあの「ヤオハン」がありますが、これらの中国人経営のお店と比べると、ターゲットは日本人であり、スケールはこじんまりとして、品揃えなどは上品であり(虎屋の羊羹などもあるのです!)、その分価格はやや高めに設定されているように思います。このように食材という一つの事象ではありますが、民族性とか、マーケットへの参入の仕方とか、ずいぶん個性がでていると思います。

では、もう一方のメジャーである中南米系のお店はといいますと、これは、どうも米国の市民権を得ているふしがありまして、普通のスーパーですべての食材が揃えられるようですし、レストランも本格的な中南米料理のものを見かけます。これは今まで住んでいたところとの違いでもあります。このように人種の特色と、その行動様式(ここでは毎日の食材についての観点で見ましたが)を街中の実像とあわせて考えてみると、いろいろな個性があることが実感できました。

日本人についてもいろいろ調べてはいるのですが、戦前からのサンノゼ移民のことを抜きには語れないと考えていますので、これは、あとでまとめることにします。  

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