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2007年09月

【復刻】 123 過去を捨て去ることの必要性と難しさ その 2 20001007

20世紀の後半に発生したソ連の崩壊は、意外な結末だった気がする。共産主義の唱える、資本主義の中での階級対立として捉えた(国際)社会が、固定化されすぎてしまったということである。すなわち時代の変化に伴って資本主義が形態を変えてゆくのに伴い、資本家なる実態が、単なる資本に基づいた支配階級という固定化したものでなくなってしまったところが、共産主義者の見誤りの一番のキーポイントだった気がする。要するに、共産主義の基本概念が(経済原理だけに基づいたために)空洞化してしまったということである。それに引き換え、共産主義自身といえば、人間の本質が変わったのではなく、古来からの人間の性(さが)である理論よりも利に敏い人々を輩出したし、人民のためといいつつ、官僚機構は歴然として、権力をもって君臨した。これが、経済原理とは別のところで着実に変化し、人類の大きな流れである自由・平等への動きに逆行し、人々から見放されたということである。しかしこれは対立が解消されたということではなく、共産主義が指摘していた構造は、すでに実体がないものに変化していたということである。すなわち、動いている社会は時々刻々変化をしているということである。これからの社会もこのように、新しい動きが出てきては、旧来のものと突き合わせることにより、相互に切磋琢磨しつつ、かつ淘汰が行われる社会になるに違いない。

 

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【復刻】 122 過去を捨て去ることの必要性と難しさ その 1 20000930

日本の政治や、経済の中での考え方が現在大きく変わろうとして来ている。これは小泉首相という、戦後には類まれな「国民に負担を強いることを知らせることが、自分の職務」と考えている人の存在が大きい。そして、過去のいくつかの既得権にも大きく改革の手が入ろうとしている。中味を良く見ると、過去のロジックが破綻していることが目に付く。例えばであるが、石油公団のあり方に対しては、批判は数多くあったものの現実的な施策にというところまでは来ていなかった。また道路特別会計を廃止するということなどは、大英断といっていいだろう。自民党の中からそのような動きが出てきたことが、時代の変革への動きということにつながることを示している。

 

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【復刻】 121 20世紀から21世紀へ 20000924

20世紀がどんな時代であったのかと言うことを、大分前から考えてきたけれど、ひとつ大きな特色は、物質と言うものをかなりのところまで、コントロールしてきたことが言えると思う。象徴的な出来事のひとつは、コンコルドの終焉である。人類が空を飛ぶことを可能にしたのが今世紀の初めであったが、スピードの向上はほどほどのところ、音速以下であったという結論になるであろう。経済性と言うのは、物質と交換する関係を指すわけだから、その意味でも、物による限界を極めたことになる。もうひとつの、物質の出来事で今世紀に起こってしまったのは、ヒトゲノムの解析終了宣言である。私は、このことは21世紀のことと思っているうちに、今世紀の出来事となってしまった。これも、生体を物質として捉えると言う点で、物質的なアプローチの成功事例と言えるだろう。このことから、私は20世紀が物というものを、とことん突き詰めてきた時代だと思う理由である。

 

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【復刻】 120 Topというもの 20000916

シドニーオリンピックが始まった。このWeeklyも実は、1996年のアトランタオリンピックが終了してから、最初はCharlotte Weeklyという、米国文化、習慣の紹介レポートのようなものから始まったわけだから、かれこれ4年経ったというわけである。当時のレポートもいつか紹介できる機会があると思うが、時は着実に経っているのを感じる。オリンピックは世界各国から、Topのプレーヤー達が集い、世界一を争うわけであるから、文字通り実力のTop争いが、目的であり、そこでの勝者はTop中のTopとなる。これを、ついつい事業のTopや他のスポーツのTopと比較したくなる。ここでは、閉鎖系社会のTopとオープン系の社会との比較で考えてみたい。

 

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【復刻】 119 変化の時代と勉強について 20000905

変化の時代に生きる生き方には、いくつか方法がある。ひとつは、昔のままを続けるという、マイペース型である。もうひとつは、回りの動きを見ながら、自分も進むというという、他人追従型である。
そして、3つめが、自分からその時代の動きに、積極的に参加して行くという方法である。これらが、今後起こるであろう動きに対して、どのような意味を持つのか、考察してみたい。

 

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【復刻】 118 20世紀という時代 20000626

20世紀という時代も、いよいよ終わりが近づいてきた。この時代を振り返ってみると、大きな時代の転換が現れているように思う。特に顕著なのは、最後の10年間が、時代を締めくくる動きをしていることだと思う。週刊シリコンバレーという、メールマガジンの100号記念でもある本号で、まとめてみたい。(週刊シリコンバレーという名前をはじめて聞く方には唐突ではありますが、「まぐまぐ」というメールマガジンでこのWeeklyを配布している時の名称です)

 

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【復刻】 117 スポーツとビジネス その4 20000619

状況の変化に対して、各種チームプレースポーツがどのように対応するかを比較してみると、監督采配型と、監督以外の現場指揮者采配型と、個人に任せると言う3つに分けられるように思う。1番目の監督采配型は、野球のみが持つ特質のような気がする。チームのためと言う理由で、監督から指示が出れば、強打者がバントをさせられることもあるし、投手が強打者を敬遠することもある。
監督の独裁的裁量ですべて決まるスポーツである。すべての選手の顔はは監督に向いている。
現場指揮者采配型のスポーツは、アメリカンフットボールが一番明解であると思う。バレーボールも一部アタックの時にフォーメーションをかけるのは、現場指揮者采配型である。その他はというと、選手一人一人が、自分で判断するというケースになる。これは、とても面白いことだと思う。

 

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【復刻】 116 スポーツとビジネス その3 20000729

スポーツとビジネスの関連を、組織運営として、内部から考えることとする。プロのチームであれば、オーナーが経営者(CEO)となるし、監督はCOOに相当するポジションであろう。COOの元には、選手が直結している場合が多いが、場合によると途中に、主将と言う人がいることもある。(野球、バレーボールなど)アメリカンフットボールはやや違っていて、攻撃の時だけクオーターバックという選手が出てきて、ゲームは彼の指揮の元で進められる。守りの時にはそのような人はいなくて、現場の選手に一任される。ここで考察を加えるのは、監督指示がすべての野球と、現場判断が中心のサッカー、ラグビー、バスケットボール、そして特別に造られたアメリカンフットボールに分けることとする。

 

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【復刻】 115 スポーツとビジネス その2 20000722

スポーツとビジネスという視点でものを考えてみると、個人プレーとチームプレーを分けて考えなければならないことがわかる。個人プレーの種目は、個人経営のビジネス組織であり、これは顧客と株主と、経営者の関係さえきっちりできれば、機能する形に似ている。そして個人の資質や努力ががそのまま成果に反映されることが多い。組織プレーを考えると、これは通常のチームプレーで行われるスポーツに相当する。チームプレーは多くの場合、監督がいて選手がチームを組んで、相互に競い合うと言う点でどのスポーツもかなり共通していると考えられる。そうすると、個人とチームの関係や、チームと株主、社長、社員などの関係を明確にすることが、そのまま仕組みの比較になる。ここでは、組織の役割を考察することを目的として、プロのチームスポーツについて検討してみることとする。また、スポーツで成果をあげるためにしなければならないことを考察することは、ビジネスをする上で必要なことを見定めるために、大いに役立つことがわかる。

 

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【復刻】 114 スポーツとビジネス その1 20000715

スポーツは、戦いのシミュレーションとも言われるし、またビジネスの動きと似ているところもある。今回はスポーツを時間と言う観点で考えてみて、ビジネスとの共通点や、あるいは成果の出し方がどのように関連しているかを考察してみたい。個人プレーとチームプレーについても考えてみたい。

 

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【復刻】 111 教えることと学ぶこと 20000623

教えることと学ぶことは、一対の言葉のように考えてきたけれど、どうもこれは考え方が違うようだ。以前は、教える人に教えるものがあったと思っていた。たとえば、掛け算とか、飯盒でご飯を炊くと言うような技術がそうであった。しかし、技術という中に盛り込まれない事柄、たとえば、政治家と芸術家はどちらが世界平和に貢献しているか判断する基準とか、プロスポーツ選手と経営者は稼ぎ高が大きければ優秀と評価して良いかなど、教えることの難しいことがたくさんあることがわかる。社会生活をしていると教えることができない項目のほうが圧倒的に多い事がわかる。そのときに人は、何から学んで何を考えるであろうか。ここに、教えられないことを学ぶということが発生するし、それが結果的に人間の価値観の多様性を生み出すこととつながっている。教えることを考えてみれば、教える人が意図したことがそのまま伝わることもあるし、逆に学ぶ側からは反面教師として、教える人から学ぶことも多くある。ここでは、個人がどのように学ぶことと向き合っているのか考えてみたい

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【復刻】 110 マネジメントと管理 20000617

マネジメントという言葉ほど、なじみがある割には意味がはっきりとしていない言葉はない様に思う。通常日本語に訳されると、経営とか、管理という言葉になるが、まず、経営と管理とは大きく意味が異なる。経営は目的であり、管理は手段というのが大きな違いで、この差が日本語での使われ方に大きな違いを発生させているように思う。ITの利用や、Win-Win思想が主流となった現在の状況から考えて、どのようにマネジメントあるいは、管理というのを考えるのが好ましいのか、考察する。

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【復刻】 109 ロジスティックスの重要性 20000610

ロジスティックスは、兵站(へいたん)とか訳されるが、今だなじみが薄い言葉である。最近では物流という言葉の意味でも使われることがある。前線に物資や兵員を補給するシステムを指し示す言葉である。歴史を振り返れば、太平洋戦争で日本軍と米軍の戦争行動の大きな違いはロジスティックスにあったと思うしもっとさかのぼれば、元寇のときにも元軍は単身日本に攻め込んできた。背後に補給システムが無いから、元軍は日本に上陸したとしても、戦いを続けることは不可能であったと思う。このように補給ということを取り上げてみると、ロジスティックスというのは、生死を決する重要な事柄のひとつである。Net時代にはどのように考えるのか、考察してみたい。筆者は戦争肯定者ではないが、戦争で説明するのが最もわかりやすいので、それでたとえてみたい。

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【復刻】 108 経済効果について 20000603

経済効果という言葉は、定義を明確にしないとあいまいになってしまうけれど、米国をはじめとする各国が好景気の持続をしていることを横目で見ると、日本の景気対策は何かおかしい気がする。それはひとえに、直接支出が経済効果を生み出すと考えているためではないかと思い始めた。今、ベンチャーだとか、E-Businessのような言葉が飛び交って、つい先ほどまではNet株が高値をつけていた。しかしその実態は必ずしも、経済効果を生み出すほどのものではなかった。これは、今までの支出の仕組みを考えれば、やむをえない帰結である。すなわち、既存の延長にしか支出をしないで、ベンチャーの人たちがんばってくださいというわけである。今までの経験で言えば、ベンチャーを始めるための建物を用意してから、さあベンチャーを始めてくださいというわけである。各地方にある建物は、そんなでき方をしているから、管理費も高くて肝心のベンチャーが入れないと言う笑い話まであるくらいである。ここでの、経済効果は建築にかかった資材と、労力の合計であろうし、完成した後の資産価値は、その中に入った人たちの支払う家賃分と言うことになる。
もう少し考え方を広げてみよう。通信分野でNTTとかDocomoとかが経済効果を大きく出しているともてはやされている。しかし、通信と言うのはインフラのひとつであり、あくまでも手段である。世界はこの手段を使っていかに価値を生み出すかでしのぎを削っているわけである。このコストが高いと、世界に価値競争のできるビジネスが生まれないことになる。これを少し考えてみたい

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【復刻】 107 企業トップの持つ役割 20000627

ネットワーク社会がだんだん見えてくると、会社のトップによって対処する手法や考え方や戦略が違うことが企業の方向性を決める上で大きな差になってきているように思う。これからの時代はいかに「個」の持つ多様性を企業の中に取りこむかという点がポイントになるからだと思う。言いかえると、ネットワークと言う「個」が介在して成立する仕組みに、どのように企業としてそれらの「個」に対して求心力を持たせるかということである。こんなことを考えていたら、書店で月刊文藝春秋の6月臨時増刊号は「どうする?どうなる?私たちの21世紀」という特集を見つけた。以前ご紹介したIMD(国際マネジメント研究所)のデータも特集されていて、世界の視点からの日本の現状が、良くわかるようになっている。ぜひご一読いただきたいと思う。

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【復刻】 104 企業文化とカルチャー 20000621

米国の会社が新しいカルチャーを創出しているのは、目新しいことではない。エンターテイメントというものを、文化として定着させたのは米国の20世紀の大きな発明であったわけで、その延長上に企業が発信して行けば、企業からの文化あるいは、作られたカルチャーへとつながることになる。いくつかの例を見て、 ヴィジョンというものが与える影響の大きさを考察してみたい。

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【復刻】 104 帰属と自立 20000422

人間の心理や行動のなかで、帰属ということがとても大きな意味を持つことに気がつく。これは、民族によりパターンは異なるかもしれないが、ひとたび帰属が決まると、人間は、個人のときにはしないような奇妙な行動をとることがある。集団意識と呼ぶのか、帰属意識と呼ぶのか学問体系的なことは私には良くわらないが、場合によると同じ民族が東と西、北と南に別れてしまったばかりに、それまでは仲間であったはずの、お互いが戦争をしたりするし、幾つかの組織では社会的には認められないような行動をしている。政治や行政など、集団になっていると世間のルールと内部のルールとが一致しないことすら起こっている。これについては、所詮組織とはそんなものさ、と言う片付け方ではなく、自立という観点から考えてみたい。

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【復刻】 103 理解と信じること 20000411

理解することと信じることの間には、大きな壁がある。あえて、どちらが先かと言うと、私は信じることのほうが理解を超えていると思う。理由は、私はPCを使うことに抵抗がない。自分では正しく作られていると検証できなくても、正しいと信じているからである。そう言えば、時々不正な処理が行われました。製造元に問い合わせてくださいとかいう、メッセージが出てくる。MS Officeを使っているときに、これが出てくると、またビルゲーツの手抜きだと思いつつも使ってしまうし、ビジネスでの利用で問題になるとは思ってもいない。このあたりは実に心もとないが、私がPCを信じている現状である。これは、技術的な点からであるから、出来事は比較的ビジネスライクで済ませることができる。信じるという、別の側面についてはどうであろうか。有名な話ではダーウィンの進化論を信じない人々が米国にはまだまだ、たくさんいると言う。車の後ろにそのシンボルマークつけている人もいる。今回はこのような点に見られる、理解というものと信じるということが、時として離れてしまうのはどうしてか考えてみたい。

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【復刻】 102 第六感なるもの 20000404

前回は、アナログとデジタルということで、人間はデジタルという要因から成り立っているということを述べたが、デジタルの認知系とは別なのかどうかわからないけれど、無意識のうちにデータ処理をして、ある決断や、判断をするということが経験的に良くあるように思う。もともと、人間の行動や
思考は必ずしもロジカルではない。振り返ってみるとなぜあんな理屈に合わなかったことをあの時してしまったのだろうか、なぜ右に行くはずの道を左に行ったのだろうか、など日常的な事柄では数多くあるように思う。私などなぜこんなにPCを買ってしまったのだろうかと、狭い部屋に並んだマシンを眺めてそう思う。これは、判断がロジックばかりでは成り立っていないということから由来していると思う。その中で、第六感なる多分人間だけがもつ、判断ルールを考えてみたい。先ほどあげた例は、第六感と言うよりは「ぼんやり」に近いけれど、人間の行動様式を考える上では第六感も重要な存在だと考えられる。

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【復刻】 101 アナログとデジタル 20000331

ヒトゲノム解析も、セレーラジェネティックスの奮闘で、国家計画よりも早く全体解析が終わろうとしている。この解析結果が人類に与えるインパクトは予想がつかないということになっているが、いずれにしろ、人間の生体内たんぱく質合成の基本メカニズムが判るのであるから、病気の治療という応用分野のみならず、世界観にまで影響することになると思う。いずれにしろとんでもない時代になったことを痛感する。これも、デジタルという手法が活用されて展開した部分であるので、人間とデジタルのかかわりを考えてみたい。デジタルとは、ここでは分離して数えられるもの、アナログとは連続的でどこまでも切り分けることが不可能な状態と考えることとする。

 

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【復刻】 098 目利きと、プロ 20000220

米国の株式市場を見ていると、良くもまあ高い株価を維持できるものだと感心します。それをネットバブルと呼ぶ人達も、少なからずいます。今回は、なぜ米国がこのような経済活性化を成し遂げたのかを見たいと思います。特にシリコンバレーは21世紀型ビジネスモデルとして起業の創出に大きな役割を果たしています。それをつきつめてゆくと、個性の尊重が大きな役割を果たしている事がわかります。これを、検証してみたいと思います。日本でも、思想としてはなかなか面白いものがある事も、あわせて検討してみたいと思います。

 

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【復刻】 097 Y2Kで考えたこと、など 20000213

Y2Kは、大過無く過ぎたというのが実感です。その準備の過程や結果を見ると、生きて行く上での重要なポイントが見られたと思います。大きく見ると2つあると思います。まず、どんなことが起こるかという仮説をつくることと、おきた場合の対処の方法、そして2番目にはその対応を、ネットワークで共有化したことだと思います。世界中において、それぞれの部署であるいは、個人が同時にできたということが、大きな意味を持つことだと思いました。そのプロセスと意味を考えてみたいと思います。

 

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【】復刻 082 サービスの世界 19990619

サービスの質が高いと、とても快適だと言うのを実感します。それは、相手をしっかりと見てその人に必要なサービスをするからだと思います。たとえば、私のようにタバコを吸わない人間にとって、タバコ臭くないホテルの部屋やレストランはとても快適です。日本でも、Starbucks Coffeeが、コーヒーの味が変化するので、タバコはご遠慮くださいと表示をしています。ですから店内はコーヒーの香りのするいい環境です。こんなところが、サービスの一つの原点かもしれません。今回は、サービスについての考察をしてみたいと思います。

 

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【復刻】 081 リーダーとボス 19990612

現在の日本の経済状況を見ていて、以前日経連の会長をしていた、故鈴木永二氏の言葉を思い出します。リーダーとボスの差についての見解です。今から15年以上前になると思いますが、鈴木氏は当時、日本には、リーダーが不在である、いるのはボスばかりである、と喝破されました。その頃の私はあまりその意味が理解できていませんでした。しかし、現在考えると、素晴らしい見解だと思います。私たちは、ともすればリーダーとボスを同じような意味で考えがちです。今後、世界の中での日本の役割を考えると、ボスだけでは世の中が進まないことが分かります。今回はその点について考察したいと思います。

 

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【復刻】 080 地域とインターネット 19990606

地域における、産業活動はどのようなものが良いのか、いろいろな国のものを比べてみているのですが、どうもキーワードは地域という考え方ではないかと思い始めました。ヨーロッパでも多くの都市は、その中に事業体や生活の場を持ち、地域としての活動をしながら、事業を進めるという形でした。とくに、古い建物(500年以上のものもかなりあります)を生かしながら、地域として生活の場を提供しているのは印象的でした。歴史は新しいですが、地域でビジネスと言う意味ではシリコンバレーでも同じだと思いました。すなわち、企業はまず地元で事業を進めます。

都市でも、東京やNYCやLondonのように、大きな都市であるがゆえに、人々が仕事をする場所と、住んでいる場所とが大きく離れている形態があります。仕事をする人、そこで生活する人、そして、事業活動をする人の3者にとって、どのような仕組みが良いのかを考えてみたいと思います。

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【復刻】 078 21世紀 19990522

Lafayette Dr. Digital Weekly
19990522                 通巻第78号

以下、某新聞の5/15に記載された記事です。(インターネット版です)

日本の中高生は将来に夢をもっていない? 
日本青少年研究所(文部省、総務庁の外郭団体)が、21世紀がどんな社会になると思うかを全国の中高生に質問したところ、6割が「希望のある社会になるとは思わない」と答えた。他の設問でも、明るい未来に否定的な回答が軒並み7―8割に達している。ただし、同研究所は「今の10代が未来を真剣に憂えているとは思えない」と辛口だ。「現状に満足し切っており、 『今より良くはならないだろう』という程度にしか考えていないのではないか」とみている。調査はアンケート方式で、昨年秋から今年初めにかけ、中学生、高校生それぞれ1000人ずつに対して実施された。全員から回答を得た。 

「21世紀は人類にとって希望のある社会になるか」という設問では、「そう思わない」が61%で、「そう思う」の39%を大きく上回った。同じ調査は米国、中国、韓国の3カ国の中高生に対しても実施されたが、米、韓では6割強、中国では9割強が「そう思う」と答えており、日本との差が際だっている。日本の中高生の否定的な見方は、他の設問でも続く。「国民生活は豊かにはならない」67%、「人間は今以上信頼しあえない」75%。「不正や腐敗」については、84%が「少なくなるとは思わない」と答えた。
一方、意識を探る設問でも、「将来より今を楽しむことが大切」が67%、「努力ばかりではつまらない人生だ」が58%と、覇気のない答えが多い。

ここまでが記事の全文引用です。

この記事を読んだ私は、困った記事だと思いました。対策がとれないからです。
研究所が辛口なコメントをするのは自由ですが、新聞はその研究所のコメントをそのまま伝えているだけです。これは、記者クラブのお役所の発表をそのまま記事にするという手法そのものです。
私の友人の新聞記者が言っていましたが、お役所は白書を発表する時にも、白書を読まなくても記事が書けるように、記事の案まで作って記者に渡すそうです。(今から10年以上前の話ですから、今はどうか知りませんが)困った点は、研究所の意見に対する、中高生の声が出ていないからです。本当に努力ばかりでつらいのか、とかむしろ、将来を楽しむより今を楽しむことが大切などというのは、設問自身がおかしい。私なら将来も楽しむし、今も楽しむと答えますが。

そいして、覇気の無い答えが多い、という結論です。これでは、何も始まりません。なぜなら、会話を始めるきっかけが無いからです。先日のユースサッカー世界大会でも、日本の若者は準優勝という快挙を成し遂げました。努力が嫌いな人達には出来ないことだと思います。その素晴らしい事実があるのに、この記事はそんな事を無視して一人歩きしています。
この記事の延長上には、最近の若い者はという考え方が見えるような気がします。むしろ、大人にも同じ設問をして、将来がどうかを聞いてみるべきだと思います。今の時代、大人のほうが将来を暗く思っているかもしれません。

今回、申し上げたかったことは、このような受け売りの結論ではなく、自分の目から見てどうなのかという点を、天下の大新聞もやって欲しいということです。それでないと、勝手な思い込みや、推測ですべてが進んでしまうという、悪しきサイクルに入るからです。そうではなく、何が事実で、何を考えなければ行けないのか、もう一度見詰め直す必要があると思います。その、事実を直視することが次の世界を変える、一番の原動力だと思うからです。

この記事の、一番のポイントは未来を明るくないと思う中高生に対して、私たち大人が一体何から考え始めれば良いのだろうか、ということではないかと思うのですがいかがでしょうか。

本情報につきまして、皆様からのご意見ご感想をお待ちしております。
        八木  博        e-mail  hyagi@infosnvl.com

【復刻】 077 地域と事業 19990615

シリコンバレーだけでなく、米国は地域での行政の活動や企業の活動、ひいてはプロスポーツの応援まで地元をキーワードの動いているところが多いです。地域振興策を行政も、企業も住民も一体となって行う場合が良く見られます。シリコンバレーはその中の一つであり、その取り進め方が、21世紀の、共生型ビジネスモデルといわれる所以です。先日、NHKのBS-1で「ベンチャー立国は可能か」という題の、討論会がありました。その中で、一橋大学の米倉教授は、ベンチャーを育てる仕組みが重要である、と指摘していました。確かに、部品という分野で日本は製造業として世界に冠たる地位を築いたわけです。それから後の、テクノロジーでは、まだ世界をリードするものは、ゲーム機以外では出て来ていません。これから、ゲーム機端末が情報家電の牽引車になるとすれば、可能性は大です。(自動車や、家電の多くは組み立て完成品ですが、この市場を確立したのは、米国や欧州だったので、市場での対立が避けられません)
それでは、なぜ、地域なのかを考えて見たいと思います。

 

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【復刻】 076 夢と行動そしてリスク 19990509

米国の株価がとうとう11000ドルを越えてしまいました。それにつけても、実に元気が良いというのを実感します。なぜだろうかということを、夢の価値を中心に考えてみたいと思います。ベンチャーの動きを見ていると、夢を追っているということと、夢を買う人がいるということを、実感します。どういう事かというと夢を描いて事業を始める人に、投資をする人がいるのです。その中には、自分の多くない収入から投資してベンチャー起業家と一緒に夢を見ようとしている人もいるのです。投資で発生するリスクは、当然投資家が、負うことになります。これは、日本ではほとんど見られないことです。今回は、起業家と投資家を分けて考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 075 戦略的営業時間と、サービス的営業時間 19990425

米国での、お店の営業は戦略的に(売り上げ最大を目指して)展開されます。はじめにびっくりしたのは、朝7時からやっているお店があるのと、店の支店ごとに営業日や、営業時間が異なっているのです。そして、図書館サービスなどは、夕方会社から帰った人でも利用できるように、夜9時まであいています。今回は、戦略的な営業時間と、サービス的な営業時間を比較してみたいと思います。

 

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【復刻】 073 データを採るということ 19990404

前回は、結果を評価するということがいかに重要であるかについて、ご説明しました。これは、頭では解っても、具体的にやる場合には大変難しい事だと思います。今回は、その為に何をすることが必要になるかを考えてみたいと思います。その前に、現在日本の置かれた経済状況を振りかえってみて、どのような過去があったかを見てみたいと思います。
日本の製造技術を、世界に冠たるものにしたのは、TQCシステムで、これにより日本の製品は高品質、低価格を成し遂げました。これは1980年代の半ばに、世界の半導体業界を席巻し、あのインテルをして、日本に負けたと言わしめたわけです。今からほんの10数年前のことです。それから、米国は日本に学べということで、産官学挙げてTQCのシステムを学び、経済活力の回復をねらいました。その中に、NPOを積極的に活用する仕組みなど取り入れ、優れた技術、システム、社会制度そしてリーダー達を輩出しました。90年代に入ってからは今や、経済活動では米国の一人勝ちが現実に起こってしまっています。

 

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【復刻】 072 結果をチェックするということ 19990328

前回は、手段と目的を取り違えると、当然結果が大きく狂うということになってくることをご説明したつもりです。すなわち、組織活動を例に取ると、組織の長になるという「目的」を持った人にとって、長になればそれは目的を果たしたことになるのです。それは、その人にとって長になったあと、組織は存在さえすれば良くなる、あるいは自分を長として遇する人々を周りに集めるという行動につながることが多くなります。ですから、組織の目的を明確にすることよりは、自分の長たる時間を長くすることに、腐心することになります。これは、残念ながら、多くの日本の組織が過去にやってきた行動パターンの一つです。今回は、そのような履き違えの目的を設定した時の、修正する方法などを考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 071 目的と手段 19990321

現在、日本の社会を見ているといくつかの混乱が見られます。一つは目的と手段の取り違えです。もう一つは、生きる理由というか、目的のチェックが無いまま社会が出来上がってしまった、ということでしょうか。これは、私自身の反省も含めて考える問題だと思っています。
前者は方法論、到達点として問題で、後者は人として主体的な関わり方に関連が出てきます。
この問題を、一度は考えないと、日本の今の状況を招いた要因を見つけ出すことは出来ないと思いますので、いくつかの例を検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 070 戦略的PCバンキング 19990307

米国では、PCバンキングという、家庭にいながらにして、預金口座から各種支払い、振り込みなどができる方式が広まっています。口座や家計管理をするソフトも多く売れていて、Intuitと言う会社のQuickenというソフトは、大ベストセラーになりました。日本でも最近PCバンキングを始める銀行が出て来ています。やり方を比較してみたいと思います。

 

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【復刻】 069 情報の価値 その4 19990214

情報を集める仕組みについて、前回ご説明しました。今回は実際の会社の中で、どのように進められているのかを見たいと思います。これは、必ずしもハイテクの分野でない会社の説明ですので、その点日本でも参考になるところは多いと思います。

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【復刻】 068 情報の価値 その3 19990124

Lafayette Dr. Digital Weekly
19990124                 通巻第68号

今回は、情報を価値に変える仕組みを考えてみたいと思います。今まで情報は独占するところに価値があったのですが、インターネットや個人の意識の変化で、オープンな情報を早くビジネスにつなげることが、世界の主流になってきました。それを米国がどのような仕組みにしているかを眺めてみたいと思います。私の考えも入っていますので、ご了解ください。

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【復刻】 067 情報の価値 その2 19990117

前回は、情報のコストを中心に情報をお送りしましたが、今回は情報の活用について、ご説明したいと思います。情報の価値は、使いこなしから生まれると言うことです。当たり前なのですが、意外と日本の社会では理解されていないのではないかと思うことがあります。

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【復刻】 066 情報の価値 その1 19990110

NYダウの株価が再び最高値を更新しました。この株高はバブルではないかという日本からの言葉が、どうも的を得ていないように思えます。この理由を考えてみているのですが、情報ということに関して米国での利用のされ方と、日本で考えていることとが大きく違うことが原因ではないかと思えるようになりました。これを、ビジネスに関与する部分から解析してみたいと思います。まずはコストという今やグローバルな視点でものを考える時に最重要な要因とそのインパクトを考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 064 情報の集め方 19981220

米国の経済が、未だ勢いを失っていないのと比べて、日本の経済は明確な指針の無いまま活気を失っています。以前、失敗の本質という本を紹介した中で、大本営の行動は、明確な指針を出さずに太平洋戦争を実行してしまったこと、そして、現地はひたすら局地戦で戦うことしか考えていなかったことです。これが、米国の諜報活動によって、日本軍の手の内を読まれながら、ひたすら敗戦へと進んでしまったシナリオです。その時と比べても、現在はあまり変わらないのではないかとさえ見えてきます。あるべき姿の議論が無いまま、対処方のみの対応に追われているからです。今回は、そのなかで情報の持つ役割を考えたいと思います。

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【復刻】 063 信用と信頼 19981205

似た言葉で、意味が違う言葉がいくつかあります(当然ですが)。最近目にする言葉をいくつか比較してみたいと思います。信頼と信用、融資と投資、などです。良く考えると、混同していて判断を誤ることなど、有り得ると思います。

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【復刻】 062 集団行動について 19981129

私は、歴史はあまり詳しくないのですが、最近、江戸時代から明治時代にかけての小説などを集中的に読んでみて、幕末と言う時代の閉塞状況や、明治と言う時代のもつ伸びやかさを随分感じることが出来ました。とはいうものの、大部分が司馬遼太郎の本によるものですから、必ずしも史実ではないのかも知れませんが。私は、20年ほど前に「忠臣蔵」が嫌いになりました。理由は割と簡単です。間違った行動をした上司に、忠誠を尽くして、人を殺して、その後みずからも命を絶つと言う行動が不思議になったからです。そして、「坂の上の雲」にも出てくる、乃木大将の203高地攻撃の愚かさは、トップの指導、あるいは行動で、とんでもない犠牲や無駄が出てくることを示しています。それを言ったら、歌舞伎も六本木も面白くなくなるかもしれませんが、少しまとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 051 21世紀は低コストの社会 19980906

インターネットを使ってみると、通信の内容にマルチメディアが使えて、しかも国際通信が使えて、電話代は国内料金ということで、通信コストが大幅に下がっているのを感じます。国内の電話料金が高い日本の事情は別として、これだけのインフラが使えるということは、低コストの社会を構成する上で非常に有利な状況になっていると思います。今回は、将来のコストの推移を考え、どうしたら豊かになれるかを考察してみたいと思います。

 

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【復刻】 036 Missionという言葉 19980518

Missionという言葉は、米国では良く目にします。会社の事業目的やプロジェクトの遂行目的を明確にするときにこの、Missionと言う言葉が出てきます。これは結構大きな意味を持っていまして、会社やプロジェクトがそのMissionを果たすかどうか、常にチェックされています。それが、会社やプロジェクトの存在理由と言っても良いと思います。では、どのように機能するのかを検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 035 Marketing その2 19980511

先週、マーケティングという言葉についての内容をお送りしましたところ、何人かの方から、「もっとこの件について勉強したいが」というメールをいただきました。浅学非才を省みず、今回はMarketingの現状と今後の展望を、簡単にご報告したいと思います。枠組みと考え方をご理解いただければと考えております。

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【復刻】 034 Marketingという言葉 19980504

マーケティングという言葉は、いまだ十分わかった気がしない不思議な言葉です。これは、以前の感覚ですと、販売支援的要素が強いと思っていましたが、どうも違うようです。Websterの辞書にも製造者から消費者に商品を動かす全体の活動という表現で出ています。この関係に詳しい方に聞くと、このMarketingの概念こそ、世界の市場を理解する上で、もっとも重要であると言われます。それがひいては、貿易摩擦の原因や、新商品開発の原動力になるということもあるそうです。
今回は、Marketingと言う言葉の中味を検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 079 ヨーロッパのインターネット 19990529

ヨーロッパに出かける機会がありまして、まだ時差ぼけになっていますがドイツとイタリアでインターネットをしようとしてえらく苦労をしました。その顛末を手短にご報告します。

 

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【復刻】 074 日本の情報化度とアジアの発展 19990411

日本の状況で、いくつか気になることがあります。一つは、労働生産性が先進諸国の中で低いということと、情報化度というIDCでの指標で、一昨年は世界第四位だった日本は、昨年は第九位へと後退しています。(www.idc.com ) 
Network Solution社の調査では、ドメイン名の登録数では一昨年9位から、今年は11位へと後退しています。 (http:/www.netsol.com/news/pr_19990112b.html)
これは、単純に景気の後退という事を原因にすることもこともできるのですが、どこ国が伸びているのかをデータで眺めて、考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 007 多民族都市シリコンバレーの行動様式に学ぶ その2 19971013

何てったって料理はアジア系が一番!
今週は、料理について考察してみたいと思います。私の好みが中心になりますが、ひとまずお読みください。

 

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【復刻】 006 多民族都市シリコンバレーの行動様式に学ぶ その1 19971006

今週は、多民族都市であるシリコンバレーに来ている各民族が、どのようにその民族の生活パターンを反映しながら、生活し、仕事をしているかを見てみたいと思います。もちろん、私が経験したことを中心に考えていますので、奥行きは不足しているのは承知の上です。まずは、家族とビジネスいう観点で各民族を対比しながら述べてみたいと思います。

 

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【復刻】 099 日本の製造業 20000227

日本の製造業について、考えてみました。要は、強いといわれるようになった歴史です。現在からさかのぼると、とても判りやすいと思います。なぜ、品質という基準を世界に入れることができたのか、その時の日本の状況とあわせて考えると、見えてくることがいくつかあると思います。これはそのまま、未来のわれわれにも当てはまると思いますので、まとめてみます。

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【復刻】 096 日本的なものと西洋的なもの その9 19991203

明治は急速に西洋を模倣し始めます。そして、経験者がいないことと、手本が無い事ゆえに、新しい制度や、思想が次々と取り入れられます。それも、今から思えばとんでもない若い人達がリーダーになって進んで行くわけです。この時代の動きを良く示した本は、司馬遼太郎の「坂の上の雲」ではないかと思います。今回は、個別の論考にあまりこだわらず、明治と昭和とをつないだ考察をしてみたいと思います。この事は、現在の日本の置かれている問題を考える上での一つのヒントになるのではないかと思います。歴史は繰り返されると言う意味ではなく、明治から昭和に来るところでいくつかの忘れ物をしてきたからだと、私は思います。

 

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【復刻】 095 日本的なものと西洋的なもの その8 19991120

大政奉還が、平和裏に行われた陰には薩長連合や勝海舟と西郷隆盛の会見など、一人一人の志と、命を懸けた使命感で、舞台が作られた感じがあります。しかも誰か一人が欠けたら、成立しなかったであろう危うい状況もありました。特に幕末の10年間は本当に、武士階級から天皇を国家の中心とした社会への推移として、実に見事に移り変わった時代だと思います。もちろん、戊辰戦争のような内乱にはなりましたが、それでも国としての大きな動きは、一つ一つ着実に進められて行きました。

 

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【復刻】 094 日本的なものと西洋的なもの その7 19991113

幕末から、明治維新にかけては欧米の市民革命に匹敵する動きがありました。しかも、権力の移転が平和裏に行われたということは、当時の世界の動きの中では、特筆に価するように思います。
そして、そのことを起こすように仕向けたのは、必ずしも権力階層の武士ではなく、志を持った下級武士を商人階級が応援する形をとりました。この時代のことを司馬遼太郎の小説で読むと、とても考えさせられます。特に坂本竜馬の動きを見ていると、個人が持つ力の大きさというのを、改めて感じます。広く情報を集めて世界を知り、そして当時の日本にとって必要なビジョンを描いて、それに合う戦略を立てて、実行するというすがたです。こえこそ現代でも通用する手法だと思いますし、それが現代の「坂本竜馬待望論」につながっていると思います。今回はその当時の構造を解析してみたいと思います。

 

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【復刻】 093 日本的なものと西洋的なもの その6 19991030

幕末の頃の人々の国際社会の情報源は、長崎の出島でした。そこには、オランダ商館が置かれ、唯一の情報はそこから入って来ました。シーボルトや平賀源内などの科学技術や医学に対する知識の整理や、オランダ語の辞典の作成や書籍の翻訳など、限られた枠の中では、相当一生懸命行われていました。これは、昨日「江戸東京博物館」で話を聞き、その証拠の品物を展示品で確認した事ですが、以下のような事がわかりました。

 

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【復刻】 092 日本的なものと西洋的なもの その5 19991016

江戸時代が、人口と生産のバランスの取れた時代で、すでに江戸は、100万都市であったと言う事を確認しました。当時の大名が奨励した、地域産業の振興、田畑の開墾、不作の時は倹約の率先垂範など、今からでも学べる事は沢山あります。(上杉鷹山がビジネス書に出てくるのはその一例です)これは、経済バランスから言うと入るに合わせて出を制すという、バランス管理の問題です。これは、財政管理技術としての面と、産業開発やライフスタイルなどを含めた大名の藩内の政治理念になっていました。結果的には、財を強くしたところが生き残る構図となったわけで、やはり、先立つものは重要な役割を持っています。

 

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【復刻】 091 日本的なものと西洋的なもの その4 19991002

前回は、江戸時代に入る前までの考察をしました。日本人は海洋民族として、倭寇となり東シナ海や、黄海を暴れまわった実績があるところまでを確認しました。今回は、江戸時代の鎖国の周辺と、鎖国の持つ意味を考えてみたいと思います。家康はアジアの国々のほかオランダやメキシコそしてイギリスと通商条約を結んで、貿易を始めています。三代将軍家光の時代に鎖国が行われます。この間、西洋では宗教から科学へと自然科学が芽生えて行ったのに対し日本では、国の中での思想や、芸術そして技術が伸びて行きました。これは、善悪ではなく明らかに文明の進み方の典型なのだと思います。鎖国は歴史年表によると1639-1854まで続いた事になっています。では、この時の日本の社会は、どのような状況だったのか、推定してみたいと思います。

 

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【復刻】 090 日本的なものと西洋的なもの その3 19990925

最近、千年紀(Millennium)という言い方で、今度の2000年以降新しい千年紀になるということが言われています。では、今の千年紀に入る前に何があったのかを見てみると、キリスト教徒の国土回復運動が盛んになり、そしてローマに巡礼をするのが盛んであったとあります。また、神聖ローマ帝国が西暦962年に成立し、僧職と俗の並立制が成立したとあります。それと同じ頃、中国では宋が中国を統一しています。日本では藤原氏の全盛時代で、紫式部や清少納言などの女流文学者の活動が見られたのも、ちょうどこの頃でした。そうやって見ると、前回の千年紀での大きな動きは宗教を含めて思想活動が盛んになった頃なのかもしれません。

 

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【復刻】 089 日本的なものと西洋的なもの その2 19990911

前回は、聖徳太子の時代の、和というところに一つの特徴があることを考察しました。蛇足になりますが、Be OSを開発したGasse氏は、日本のことも詳しいフランス人ですが、「和」では仕事は進まないといって日本の仕事のやり方が、すでに遅れてしまったことを暗に指摘していました。それでは聖徳太子以降の日本の文化はどのように進んで来て、今の日本人に影響を与えたのでしょうか。当時の庶民の考え方は、明確に記録に残っていませんが、残された歴史の跡から推察してみたいと思います。

 

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【復刻】 088 日本的なものと西洋的なもの その1 19990822

世界経済と日本の状況を比べて感じるのですが、日本的なものがすでに世界の各所で取り入れられて来ているということではないかと思います。新しいところから見ると、カンバン方式というのはすでに国際標準の製造工程の物流方式になってしまった感がありますし、企業内集団活動なども米国の企業では、Teamworkという言葉で従業員への教育が進められています。またその反対に経営手法など何時の間にか、国際会計基準がグローバルスタンダードになるという事で日本の企業会計もその中に繰り入れられようとしています。これらを比べる中で、日本(人)の古くからの個性や、創造性というものを見直してみたいと思います。

 

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【復刻】 087 小沢征爾について その5 19990815

小沢征爾についてといいつつ、今日は海外で活躍する日本人について、まとめてみたいと思います。これは、日本人のもつ、国民性が本質的に閉鎖的なのかどうか、ということを検証する事と同じだと思います。私の独断であることをお断りした上で、まとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 086 小沢征爾について その4 19990801

小沢征爾の、最近の活動はいろいろありますが、日本では1992から始まったサイトウキネンフェスティバル松本が定着しています。今年も8/29から9/12まで行われます。
詳しくは  www.icon.pref.nagano.jp/usr/aoba-hotel/saito.htm をご覧ください。今年の目玉オペラは、ベルリオーズの「ファウストの劫罰」です。
さて、話は変わりますが私が、小沢征爾という人を見ていて思うのは、縁を大切にしているということと、重要なことに集中しているということです。これは、すべて行動でしか証明できないことであり、それを実行し、持続するのは容易なことではありません。

 

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【復刻】 085 小沢征爾について その3 19990718

小沢征爾の件につきましては読者の方々から、リアルな情報を頂きまして、その中味のリアリティーに驚いています。インターネットの持つ瞬時性、グローバリズムが実感できました。ある方からは、若い頃に、ボストンのお寿司屋でアルバイトをしていた時の情報をいただきました。その時に小沢征爾が時々お昼を食べに来たそうです。周囲は彼に静かに食べてもらおうと、気を遣いながら、遠巻きで対応するような状態だったそうです。食べ終わって、帰る時はあの笑顔にななって挨拶をしたそうです。そして、その時に小沢征爾のオーラを感じたそうです。で今回は、小沢征爾の持つオーラあるいはカリスマ性について、考察してみたいと思います。

 

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【復刻】 084 小沢征爾について その2 19990710

前回は、斎藤秀雄と言う小沢征爾の先生についてまとめました。今回は、小沢征爾の家族について、知る範囲でまとめてみたいと思います。小沢征爾は1935年、満州の奉天で生まれています。その時の父親の行動などは、当時の日本人の思想とも深く関わっており、その活動は小沢家の人々との活躍とは今日的に見ると、相反するようなところが見受けられます。いくつか私なりに検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 083 小沢征爾について その1 19990626

私はかねがね、小沢征爾という人の行動や、考え方に注目してきました。2002年からウィーン国立歌劇場の音楽総監督の地位を約束されました。ここ10年間空席だった、世界最高峰の指揮者の地位です。彼が自分の道を進んでいることを知るのはとても楽しくまた勇気づけられることが沢山ありました。特に、彼が育ってきた環境や彼自身の周囲の人への思いやりなど、日本人の素晴らしい面や、情熱の為し得る力など一人の人間の素晴らしい生き様を見ることが出来ます。今回、私の知る範囲で小沢征爾とその周りについてまとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 059 日本製品の価格と品質 19981101

品質という話になると、日本の製品は世界一という評判があります。これは、事実でして、現在の日本の製品は、高品質で名前が通っています。たとえば、Consumer Reportという、米国で権威のある消費者、製品評価の雑誌などでも、日本車の評価は、大変高く、信頼性評価などで、エンジン性能や、トランスミッション、電気系統、塗装、エアコンなど16項目にわたって評価しています。その中で、トヨタやホンダの車は、非常に高い品質スコアを獲得しています。この事が価格に反映されて、日本車は高性能、高価格と言う評判を得ています。すなわち、高くても売れる車ができているのです。そして、米国はその秘訣を採り入れるために、輸入車規制を行い、(それを逃れるために日本の自動車メーカーに、組み立てや、部品工場を米国内に作らせ)今や高い品質の車が、日本の会社だけでなく、米国の自動車会社の手によって、米国内でも作られるようになりました。これは、車作りの業界が、地道に品質改良し、手法を確立した成果だと思います。1980年代からの、日本の工業製品の高品質時代を代表していると思います。

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【復刻】 047 日本での夏休み その2 19980810

今度の日本で感じたことをまとめてみます。一部浦島太郎になっているところもあるのが、自分でもおかしくなりました。川がきれいで、緑が濃いというのが自然に対する印象でした。現実生活では銀行のATMは稼働時間が短く、しかも預金している銀行でさえ休日や時間外には手数料を取るなんて、とても使いにくかったです。

 

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【復刻】 046 日本での夏休み その1 19980803

今年は、家族揃って夏休みを日本で過ごす事になりました。私は、仕事で日本に来る事も多かったのですが、子供たちは3年ぶりの日本です。私の講演のツアーに合わせて付き合ってもらって、東京を拠点にして広島、岡山そして京都を中心に日本を回りました。そこで考えた事をまとめてみたいと思います。

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【復刻】 022 シリコンバレーの中の日本 19980202

シリコンバレーに来て、はや6ヶ月がたちました。ようやく、近所のこともわかり始めましたので、日本人がどのように関わっているか見えてきました。経験をもとに、まとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 106 仲間作りのすすめ 20000614

米国社会が個人主義社会であるのは間違い無いけれども、それは決して個人の孤立を意味していない。むしろ日本の社会のほうが、個人が孤立している感を受ける。これは地域や友人のネットワークを比較してみると実感する。すなわちこうである。日本の社会の大部分を構成する、サラリーマンの人たちの行動を見ていると、地域や友人ではなく、所属するところに自分の時間を費やしている。今でこそ少なくなったが、バブルのころはそのような人々でにぎわったサービス産業も数多くあった。助け合うことで個人の枠を越えた大きな力が発揮されることはしばしば見出される事実である。今回は、これからの時代に発生するネットワーク型のつながりの中で、個人としての関わり方を考察してみたい。題して、仲間作りのすすめである。

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【復刻】 033 ネットワーク社会と縦型社会 19980427

インターネットが国境の壁や、階層、思想を超えながら世界中に広がる状況は、文字通り「世界はひとつ」「人類としての一体感」を実感させます。その中で、日本はこの利用に少しばかりためらいが大きいように思います。なぜそうなっているのか、私自身の経験を踏まえて、論じてみたいと思います。特に最近友人から教えられた、アドラー心理学という中に、縦社会の発想ということと、横社会という考え方があることがわかり、これはちょうど、旧来の会社社会と、ネットワーク社会とを対比するのに適切な表現だと思うので、これに基づいて考察してみました。ちなみにこの心理学は1920年代ころのものだそうです。詳しくお知りになりたい方は、城内さんにお尋ねください。E-Mailはshirouti@bronze.ocn.ne.jpです。

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【復刻】 032 ネットワークを使った世界と日本 19980420

米国での仕事のやり方を見ていると、ネットワークをうまく使いこなしている事に気がつきます。いろいろなデータをコンピュータに入れて、そのデータを必要な人に次々と送ると言うシステムが、うまく出来ています。今回はその実態と背景をご報告したいと思います。

 

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【復刻】 029 ネットワークと信頼関係 19980330

シリコンバレービジネスでは、ネットワークという言葉が良く使われます。そしてこの言葉を軸にして成長を続けていると考えていいと思います。この言葉の中には、コンピューターや、インターネットによる「物理的」なネットワークと、「人間的」なつながりによるネットワークと、両方含まれています。10年前でしたら、会社にはネットワークが導入され、社内の「物理的」ネットワークで仕事を進めることができました。しかし、会社のような大きな組織に属さない人は、「物理的」ネットワークの中には入れませんでした。しかし、インターネットの普及に伴い、組織に属さない人でも、容易に「物理的」ネットワークに入る事が出来るようになりました。このことは、仕事の取り進めについても、いくつか変化をもたらしています。その理由は「人間的」なつながりと、「物理的」なつながりができると、「組織的」な行動が取れるようになるからです。会社という組織から見ると、社内と言うネットワークのほかに、会社外との「物理的」「人間的」広がりを意味します。逆に組織には属していない人から見ると、組織として存在している「会社」の「人間的」な部分を取り込んでいる事になります。

 

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【復刻】 113 米国独立記念日 20000708

July 4thは米国独立記念日である。この日は、会社は休みであるし、その夜には独立を祝う花火大会もある。今年は、久々にサッカーの試合とその後に続く花火を見に出かけた。この季節、シリコンバレーは薄ら寒い。3週間ほど前に日中の最高気温42℃を記録したが、現在は日中でも20℃程度で朝晩は15℃位だから、長袖がちょうど良い。そんな中、MLS(Measure League Soccer)に出かけた。San Jose Earth Quakeというチームが、地元のプロサッカーチームである。MLSは全部で12チームのリーグで、米国での大人の間の人気はいまいちという感じではあるが、子ども連れのファミリーが数多く観戦に来ていた。一時Earth Quakeにカズが移籍してくるといううわさがあったが、いつのまにか立ち消えになった。チームはオリンピック出場選手を抱えてはいるがレベルはあまり高くはないようだが。試合は、米国国歌の斉唱から始まり、Quakeが押し気味ではあったけれど、Kansas Cityの守備に阻まれ引き分けに終わった。

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【復刻】 065 1998年は希望の始まりの年 19981227

今年一年いろいろな事がありました、そしてわかりました。これは良い事か悪い事かという議論でなく、事実として受け入れるべき事柄ばかりだと思います。私のひとつの信念のようなものとして「人生に無駄な事は起こらない」という言葉があります。これは、誰の言葉かは知りません。でもこの言葉の通りが人生だとすると、毎日毎日がすごく充実してくると思いませんか。そして、今までの自分の人生を振り返ってみた時に、少なくとも今はこの言葉が私には真実なのです。この観点から今年を振り返ってみようと思います。

 

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【復刻】 061 米国のコーヒー 19981122

アメリカンコーヒーとして著名な、米国のコーヒーは確かに味は薄く、香りは少ないと言う感じがします。私は、日本のコーヒーが香りと味では、優れていると信じていますが、米国でのコーヒーについて、いくつかの体験をご報告したいと思います。

 

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【復刻】 060 タクシー比較 19981108

米国と日本のサービスを比較する上で、タクシーというのは面白い要素を持っているように思います。ニューヨークと日本の大都会のタクシーの比較をしてみたいと思います。これを選んだ理由はそれ以外に、あまりタクシーに乗る機会が無いからです。

 

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【復刻】 058 米国西海岸での制服 19981025

シリコンバレー周辺は、通勤にもカジュアルな服装が多く、スーツ姿の人達は、セールスパーソンや、銀行員など、限られた職種でしか見られないように思います。しかし、スーパーや宅配便あるいは、ホテル、ハンバーガーショップのような、お客と直接接する小売では、制服が目立ちます。この事は、スーツ姿が少ないことと重ねあわせると、私にはやや不思議な気がします。本来、私服が好きな国民なはずですが、制服をどのように位置づけて生活しているのかを見てみたいと思います。

 

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【復刻】 057 ビジネス教育と学校、政府 19981018

米国での、学校教育の中でビジネスを単位に加算するシステムがあります。インターンシップと呼ばれるものですが、なかなか合理的で、しかもビジネススピリットを学にはとても良い機会だと思いました。そして、自分でベンチャービジネスを起こした英国人からは、英国にはもっと違うシステムがあるよとも教えられました。話を聞いてみて思ったのですが、日本の現在の経済的な閉塞状態を打ち破るためには、日本の教育の中にも取り入れられる要素も多々あるのではないかと考えました。

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【復刻】 056 文房具の楽しみ 19981011

私は、日本にいたときには人後に落ちない、文房具マニアでした。文房具やさんに入ると、棚を隅々まで見て、気に入ったものがあると、似たものが家にあるかどうかとは関係なく、ついつい買ってしまうほうです。最近、18年前に買い込んだ特別仕様の情報カードがやっと利用先が見つかり、800枚ほど片付きました。それまで後生大事にしていたわけですが、米国ではあまりそのような、凝った文房具にお目にかかりません。このあたりを、実際の体験から比較検討してみたいと思います。

 

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【復刻】 055 日米セキュリティー比較 19981004

米国で、高校生のライフル乱射事件があったり、日本で毒入りカレーライスとか、毒入り缶飲料などが出回って、実際に少なからず犠牲者が出ています。社会的な観点からすると、住みにくいことですし、それを防ぐためにはコストもかかります。そうは言うものの、Fフクヤマも、20世紀は、民主主義にならざるを得ないという結論が出た世紀であると、強調しています。今回は、そのような身近な安全を考える上で、セキュリティーという観点から、日米比較をしてみたいと思います。

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【復刻】 054 ホームドクターは親切だ 19880927

最近、健康診断でホームドクターのところに行きました。検査の結果、成人病の可能性を指摘されました。血糖値とコレステロールが高いというものです。そこで、さっそく彼に、どうしたらいいのか相談しました。彼は、検査の頻度を上げて、毎月データを取りながら、そのデータに基づいて、具体的なアドバイスをしてくれました。その中で、米国の医療システムについても、見ることが出来ました。ご報告したいと思います。

 

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【復刻】 052 携帯電話とクレジットカード 19980913

日本で動き回ることも多くなりまして、携帯電話を買うことになりました。しかしこれが、もう大変。
手元にあるのは、パスポート、期限の切れた免許証、クレジットカード、どれもが日本での要件を満たさないのです。特に、最大手のN社の携帯電話は、ガードが固く、私はお客さんなのに、電話一台買うのにこんな事をしてまで保証確認が必要なのですか?と叫んでしまいそうになりました。

 

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【復刻】 049 小売りについて考える 19980624

最近、シリコンバレーで展開していた日本から進出したパソコンショップが、小売り部門を閉鎖する事態が発生しました。時々、日本語のソフトや雑誌などを購入したり、重宝していました。無くなってしまうと、不便になるので困る事もあるのですが、いろいろな面で小売りというビジネスを考えさせられました。米国の小売りにしても、今後の成長を疑問視する考え方も出てきています。今回の件とあわせて、考察してみたいと思います。

 

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【復刻】 043 夏休みの到来 19980706

家の子供達の学校も、6月の20日の週で終わりまして、いよいよ夏休みに入りました。米国の学校は8月からが新学年で、6月までで1学年という仕組みになっています。気候から言えば、シリコンバレーは昼間の日差しはきついですが、朝夕は涼しいです。ですから日本のようなぎらぎらする暑さでの夏休みとはちょっとイメージが違います。それでも、夏休みは8月の下旬までしっかりありますから、まる2ヶ月をどう過ごすか、とても大きな家庭内の問題です。

 

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【復刻】 040 フィットネスとラニーニャ 19980615

今日は、最近はじめたフィットネスについて、ご報告します。実は、今年の3月からある種のダイエットをはじめまして、現在9Kgの減量を達成しました。それに合わせて、以前からやっていたジョギングのほかに、フィットネスなどもはじめました。シリコンバレーの中で生活する人達の健康管理という観点から、感じたことなどまとめてみます。

 

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【復刻】 039 米国のTV その2 19980606

チャンネルの多様性
前回は、米国のTVのチャンネルの、巨大化と群小メディアを比較しましたが、今回は番組の中味の専門性を検討したいと思います。実は専門性と多様性はかなり関係が深く、後者は前者の結果と言う感じがします。今後、Perfect TVやWeb TVなど多チャンネルを売り物にしたビジネスが出てきますので、多様性という観点をもう一度検証してみたいと思います。

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【復刻】 038 米国のTV その1 19980601

巨大メディアと群小メディアの動き
巨大なメディアがCMだけでなくニュースまでビジネスにしてしまうのに対し、ひたすら議会中継や政策発表などを発信しつづけるチャンネル(C-SPAN)があります。一昨年にケーブルTVのチャンネル割り当てが見直されたときに、C-SPANという、Washington DCで家族3人で経営されているTV会社は、チャンネル枠を増やしたのです。それから、私は米国でのTVの仕組みに注目してきました。今回は、米国のTVについて、大きさを中心にご報告します。

 

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【復刻】 037 レイオフのロジック 19980625

米国企業では、業績が良くてもレイオフをすることがあります。そして、もちろん業績が悪ければなおさらですが。このような状況の中で、レイオフされた人にとってはずいぶん精神的に参るのではないかと思うのですが、私の知っている人達は、そんなに深刻にはレイオフを感じていないように思えます。今回は、そのメカニズムとロジックを検証したいと思います。

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【復刻】 027 お店の中の食べ物屋さん 19980316

最近、Sunnyvaleのコンピューターショップが、移転大改装を行いました。Fry‘sという名のお店で西海岸を中心に、コンピュータービジネスを手広くやっています。安売りの評判も高いのですが私が見る限りでは、目玉商品以外は決して安くありません。ただ、品揃えは非常に豊富でして、秋葉原の部品屋さんの扱うようなコネクターなども揃えてありますので、欲しい部品はたいていのものが揃います。移転大改装の前は、薄暗いあまりきれいではないお店でしたが、移転後は大きくなりしかも、店の中にコーヒーとサンドイッチショップがど真ん中に入っているのです。今回はお店の中の食べ物屋さんと、ビジネスの関係をまとめてみたいと思います。

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【復刻】 026 ワイナリーで考えたこと 19980309

先週の週末は、シリコンバレーから、北に1時間ほど行ったにあるNapa Valleyという、カリフォルニアワインの産地に行きました。今回は日ごろから苦労をかけている家内に、18回目の結婚記念日のお祝いをかねてゆっくりしてもらおうと、1泊で出かけました。本当は熱気球に乗って、空中散歩をしたかったのですが、早朝の天気が不良で、飛行は中止になってしまいました。しかし、ワイナリーに出かけて、いろいろなワインを試飲したり、温泉に入ってゆっくりしました。ここで考えたことなどご報告したいと思います。

 

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【復刻】 025 シリコンバレーにも春が来た! 19980302

3月に入りましたが、皆様方の春はいかがでしょうか。こちらシリコンバレーも、ようやくカリフォルニアらしい太陽が出始めました。梨の花、木蓮の花も終わり、現在は桜が咲いています。今年の冬は、あのエルニーニョのおかげで、雨の日ばかりでした。サンフランシスコを中心とした、北カリフォルニアは比較的被害は少なかったですが、浸水だけでなく、土砂崩れなどが発生しました。身近では特に大きな被害にはあいませんでした。しかしTVや新聞の報道によれば、ロスアンゼルスを中心とする、南カリフォルニア一帯は、かなりの被害が出たようです。今回は、米国の庶民はそのような悪天候の冬をどのように過ごしてきたかを、まとめてみます。

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【復刻】 0021 フットボールというスポーツ 19980126

今日は、スーパーボウルの日です。これは、米国で一番人気のあるプロフットボールのチャンピオンを決める試合の日です。昨年の8月から始まったシーズンでナショナルリーグとアメリカンリーグを勝ち残ってきたチーム同士が、全米ナンバーワンをかけて対決します。今年は、グリーンベイ・パッカーズとデンバー・ブロンコスが戦いました。結果はデンバーが31-24でグリーンベイを破り、スーパーボウル初優勝を飾りました。日本でも、最近はフットボールの試合が頻繁に開かれるようになってきましたので、ずいぶん浸透してきているのではないかと思います。今回は日本のプロスポーツと比較したり、文化としての背景を考察してみたいと思います。


 

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【復刻】 020 家の子供が、「いじめ」にあった! 19980119

今週は、昨年暮れにあった、我が家の子供に対する、中学校での「いじめ」事件について報告します。

 

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【復刻】 019 米国の気概 19980112

米国でベンチャーと騒がれていますが、新しいビジネスが沢山出てくるところまではわかりますが、成功する会社は2-3%であると言われています。結果として成功したビジネスを見ていると、内容もさる事ながら、人間的な要素が深く関わっているような気がします。その一つが創業者の気概です。新しいビジネスの種を育てつづけるために、気概と言うものが必要になってきて、その気概が仲間を集めてビジネスを広げて行くと言うのが成功した会社の共通パターンのような気がします。米国での個人は、マイペースで動くように見えます。しかし、ひとたびビジネスと言う点で見ると、そのスピードは驚くべきものがあります。今週はいくつか気概について気のついた事をまとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 018 シリコンバレーの大晦日と年明け 19980106

Lafayette Dr. Digital Weekly
1998年01月05日号           通巻第18号

皆様、あけましておめでとうございます。今年も精一杯、現地、現物の新鮮な情報をお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
さて、今週は大晦日と新年についての状況をご報告いたします。
大晦日は、普通の日です。仕事もありますし次の日が休みと言う事では、金曜日に近いかもしれません。仕事は終わり、いったん家に帰りますと人によってはカウントダウンの準備に入ります。
それは、街に出ていってレストランでの食事であったり、ディスコのパーティであったりいろいろです。さすがにこの時ばかりはレストランには予約なしでは入れないところが多いです。しかも特別メニューのところも多く商売としては掻き入れ時になります。

 

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【復刻】 017 米国のクリスマス休暇とお正月 19971229

今週は、米国の年末年始の休暇についてまとめてみます。一般的な会社では年末年始の休暇は日本のようにはつながっていません。私のところでは、クリスマス休暇は12/24-28までがお休みですが、12/29-31は平常どおり勤務があります。そして、お正月は1/1-4までがお休みになります。1998年は1/3,4が土日になりましたので、つながっていますが、普通の年では1/2までくらいがお正月休みになります。学校は日本と同じように年末年始は通しでお休みです。子供たちの学校は12/20-1/4までがお休みになりました。

 

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【復刻】 016 クリスマス商戦の実態 19971222

今回は米国のクリスマスの実態について、ご報告します。我が家は今年で三回目の米国でのクリスマスを迎えることになります。まだまだわからない事も多いのですが、今年はプレゼントの買い物と、プレゼントの配り方がわかり始めましたので、まとめてみます。

 

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【復刻】 014 あるクリスマスパーティ 19971208

今週は、私が参加したクリスマスパーティのご報告をします。

ランチタイムのクリスマスパーティ
今年の会社主催のクリスマスパーティは、会社の近くのホテルで開かれました。今日は金曜日です。時間は11:00から13:30までのランチパーティ方式です。私の所は、事業所で製造もしていますので、日ごろ顔を合わせることが少ない、オペレーターの人もたくさん参加します。今回は事業所員の95%が参加して、100名ほどのパーティになりました。私たちは、会社から4人で車を乗り合わせてホテルまで行きました。ホテルのロビーにはきれいにクリスマスツリーの飾り付けがしてあって、クリスマスの雰囲気にあふれていました。準備された部屋に行くと、各自で飲み物とオードブルをとりながら、テーブルごとに集まって話をしていました。(飲み物はすべてアルコールは含まれません)そんな雰囲気の中で、パーティは始まりました。

 

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【復刻】 013 子供のスポーツ活動参加記録 19971201

今週は、子供の地域活動のうちスポーツに関する参加体験をご報告します。
内容は、子供の参加ではなく、「親」の参加という視点です。我が家の二人の男の子はどちらも
サッカーのクラブに入っています。上の子はハイスクール(高校)のクラブ、下の子は地域のクラブです。どちらも秋のシーズンですので毎週試合があります。平日は練習か試合、土曜日は必ず試合という感じで、週末になると親は二人の送り迎えと試合の応援で、てんてこまいの忙しさになります。とりわけ、日ごろ主担当で送迎の任務をしてくれる家内が、11月の半ばに10日ほどテニスの試合で日本に行ってしまいました。その間の子供のスポーツ活動を支援するのは、私しかいません。この機会に、じっくりと活動内容を見ることができましたので、直接情報をお伝えします。

 

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【復刻】 012 COMDEXの舞台裏 19971124

毎年11月にラスベガスで開かれるCOMDEX/Fallはコンピューター関連の製品の展示会としては世界最大規模です。孫さんのSoft BankがCOMDEXを買収してからは、世界各地で開かれるようになりましたが、内容スケール共にラスベガスのものは桁違いに大きな展示会であります。今年も11/17-21まで開かれました。私たちの会社も最近ずっと展示してきていまして、今年も展示をしました。今回はマスメディアには載らないCOMDEX展示の裏側をご報告したいと思います。
(Weeklyの先週号はCOMDEXの準備のため、休刊となりました。ここでお詫びいたします)

 

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【復刻】 011 情報に囲まれる消費者 19971110

米国は、ご承知のように巨大な消費国家です。消費が好きな国民ですが、商品に対する見方はかなり厳しく、いろいろなところから情報を入手して消費の際の参考にしています。今週は消費のための情報の種類と使われ方について、ご報告したいと思います。

消費者が入手する情報には次のようなものがあります。
1. TVや新聞などマス媒体による企業からのPR情報
2. 雑誌など、出版社によって発信される消費者情報
3. 消費者情報専門の出版物による、製品評価情報
4. 政府による情報
などがあります。
1,2については、コマーシャルの質量ともに膨大であります。そして、一見、客観情報風でありながら、しっかりとPRになっているものもも多く見られます。
3は、特に米国で大きな信頼を勝ち得ている消費情報源であります。
4は、たばこやアルコールの害について情報を提供しているFDA(連邦食品衛生局)や、ガンの予防のための食品摂取についてはNIH(国立衛生研究所)などがレポートを出して、消費者に情報を提供しています。これらは、企業や消費者に対する規制を制定することもあります。

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【復刻】 010 ハロウィーンが終わった! 19971103

10/31にハロウィーンが終わりました。もともとはヨーロッパで収穫祭として始まったらしいのですが、米国ではひたすらお祭りに徹しています。10/31は金曜日でもありまして、従業員はほとんどお祭り気分で会社に来ていました。私の会社でも、米国人は率先してハロウィーンの衣装を着けて仕事をしておりました。今回は、米国の中でのハロウィーンのお祭り騒ぎを、伝え聞いた範囲を含めながらご報告します。

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【復刻】 009 サマータイムが終わった! 19971027

やっとサマータイムが終わりました。今日からは、時間を遅らせて生活できます。
昨日までは朝7時でも、まだ暗かったのですが、今日からは昨日の朝8時が今日の朝7時となり随分と明るくなりました。日本では経験しなかったサマータイムについて、いくつか気のついたことをご報告します。

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【復刻】 005 シリコンバレーで日曜大工に挑戦 19970929

私の住んでいるところは、街には近いのですが住宅地なので土日は家庭で過ごしている人を多く見掛けます。 そして彼らは家にいてもじっとしているときがないのではないかと思えるほど、何かをしています。休みの日にはどこからか必ずドリル、鋸かハンマーの音が聞こえます。今回はその実態と背景に迫りたいと思います。

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【復刻】 112 シリコンバレーはICで持つ実感 20000701

シリコンバレーは、IC(インド人と中国人)で持つといわれて久しいけれど、確かに、インド人の人々が、最近多く目に付くようになった気がする。以前の職場にも、インド人も中国人もどちらもいたけれど、勉強家だし、能力は高いと思った。そして、自国の歴史に詳しく、両者とも自国は大国であるという自負心は強かったように思う。ちょうど高校の卒業式の時期に、地元のSan Jose Mercury Newsが、優秀な卒業生を紹介している面を見ると、これが、圧倒的にアジア系が多い。アジア人は実に教育熱心だと言うのが良くわかる。

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【復刻】 100 ひと区切り 20000312

いよいよ、このWeeklyも100号を迎えた。いくつかのメールマガジンでの発行号数は少しずれてはいるけれど、書く立場から見るともはや100号である。それなりに、よくも続いたものだと思う。拙文を読んでいただいている方々には、改めてお礼を申し上げたい。インターネットに触発されて、自分で出来る事は何だろうかと思って始めたのがWeeklyであった。今回は時代の流れを感じながら、振り返ってみたい。

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【復刻】 053 現在の社会組織と戦争中の組織 19980920

今、「失敗の本質」という、14年ほど前にダイヤモンド社から出版された本を読み返しています。
内容は、太平洋戦争で中国や東南アジアで遂行された、作戦と呼ばれる大きな戦いにおいて、軍隊という組織が、どのように指示命令を出し、戦いの最前線が、どのように動いたかというのを、検証したものです。結論を言ってしまうと、大本営は明確な指示を出さずに、思い込みの概念で戦をしてしまったこと、最前線は、指示が出ないことにあわせて、独断で戦いを進めるというちぐはぐな行動が多く記されています。そして、マスコミは大本営の発表をそのまま載せて、結果的には国民を欺いてしまうという構図が出ています。これらの事は、当時の事情はどうあれ、現在生きている私たち一人一人がもっと、振り返って、何が本当の問題だったのかを考えてもいいのではないかと思います。14年前の本とはいえ、今でも多くの示唆に富む指摘をしています。むしろ、バブルのときに生かされなかったことが、悔やまれるほどの出来だと思います。現在の状況に合わせて、中味を検証したいと思います。

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【復刻】 050 考えたことを書いていたらもう通巻第50号 19980831

このWeeklyも通巻第50号になりました。以前書いていたWeeklyも50号でしたから、かれこれ100週間にわたって書き続けたことになります。なぜ書き続けているか、ということを自分でも振り返ってみました。原点は、ある種のカルチャーショックであったと言えると思います。そして、インターネットをいろいろ覗いてみて、ホームページを更新することがその存在を継続させる、大きな要素であることがわかりました。そこで、これからのインターネットの世界に、自分としてどこまでできるか、試行錯誤してみたのがこのWeeklyです。書く事自身は、それほど苦になりませんが、今後どのように方向づけて行くのか、考え続けています。その思考の中味として今回は、私がWeeklyを継続する原点について、すこしまとめてみたいと思います。

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【復刻】 048 米国でのガレージ利用 19980817

米国で生活をしていますと、ガレージと言うのが多目的に活用されているのを感じます。毎朝ジョギングをして近所の開いているガレージを見るのですが、ガレージは実に様々な用途に使われています。2年ほど前にTIME誌で、米国の秘密武器「ガレージ」という表現をしていましたが、どんな使われ方をしているのか、具体的に検証してみたいと思います。

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【復刻】 045 シリコンバレーの「志」 19980720

シリコンバレーにいると、いろいろなことを考えている人が、世界中から沢山集まっているのを実感します。ある人は、ひとやま当てたいと思ったり、別の人はこの技術を、世界の人々に使ってもらいたいと思ったり、様々です。でも、その中でも「志」という見方をすると、何故か人々の想いが、脈々と伝えられてきているところを感じます。先日、日本から知人が来まして、シリコンバレーを案内しているうちに、思い当たることがつながりを持ち始めました。理解の程度は、十分ではないかもしれませんが、まとめてみたいと思います。

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【復刻】 044 Gold Rushとシリコンバレー 19980713

1848年は、カリフォルニアに金が発見された年です。それから、49ers(フォーティーナイナーズ)と呼ばれる人達が次々と、集まりGold Rushとなったわけです。その時代日本はといえば、徳川家慶が将軍の時代で、アメリカ、イギリス船が続々と日本にやって来ていました。当時の米国はといえば、米墨戦争が終わり、カリフォルニアを米国の領土としたばかりでした。ヨーロッパといえば、フランスの二月革命が発生したり、マルクスの共産党宣言も発表された年でもあります。調べてみると、なかなか世界的にも変化の激しい年であった事がわかります。

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【復刻】 042 Windows 98いよいよ発売、それで? 19980629

米国では、Windows95について司法省との独占禁止法との結論が出ていないうちに、6/25 にはWindows98が発売となりました。こちらのShopも営業時間を6/25の午前1時まで延長してキャンペーンをしました。今回はWindows98に対するシリコンバレーでの個人レベルの反応を見てみたいと思います。

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【復刻】 041 E-Mailの職場での利用 19980622

E-Mailの利用は,米国でも盛んです。そして社内のネットワークでの利用や、インターネット上で無料で送れるE-Mailサービスなどいろいろあります。MSに買収されたHot Mailと言う会社は、無料E-Mailサービスの会社のひとつです。では、実際のビジネスの場ではE-Mailはどのように。使われているでしょうか。従来の電話などのメディアと比べてコミュニケーションの内訳はどのようになっているでしょうか。最近のSan Jose Mercury Newsに面白い記事がありましたので、このデータと、実際の感覚も含めて、考察してみたいと思います。

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【復刻】 031 目一杯の社会 19980413

米国の機械を見ていると、目一杯のパワーで動いていると言うのを感じるときがあります。
たとえば、飛行機の離着陸のときや、ハイウェイのトラックや芝刈り機のエンジン音など、いつもフル回転の音が聞こえる気がします。そして、実際物流や、技術の流れもそれと同じように、フル回転ではないかと思ってきました。もしかすると、人間の活動もそうかもしれません。今回は、目一杯社会の実態を検証してみたいと思います。

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【復刻】 030 低コストの社会 19980406

米国での生活の中で、低コストということをいろいろなところで実感します。ひとつの大きな原因は圧倒的に土地が広くて、安いと言うところに起因すると思います。しかしその他にも、やり方次第ではコストを下げる試みがいくつかなされています。その中で、日本でも真似できそうなことを含めてご報告したいと思います。

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【復刻】 028 レイオフと転職の事情 19980323

シリコンバレーでは失業率が3%以下で、とても低いと言われています。しかしこれは、見かけの数字であり現実の個人のレベルでは、転職やレイオフなど、随分と出ています。今のところ、労働力の需要が大きいため、比較的すぐに次の職が見つかるということで、このような低い失業率になっています。では、このような中で、レイオフや転職など、どのように進められるか、身近な体験も含めてまとめてみたいと思います。

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【復刻】 024 あるベンチャー情報 19980223

最近、いくつかのベンチャー起業の内容を聞く機会がありました。企業になる前の開発の段階の話が中心でしたので、ベンチャー起業と書きました。何を考え、どのように彼らが新しいことに取り組んでいるのか、私なりに理解したことをお知らせします。そして、いずれの起業も「お金」には恵まれていませんでした。日本からの支援がありましたら、彼らに取り次ぎをしますので、支援をしたいと気になる方は私宛てにメールをお送りください。

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【復刻】 023 インターネットの情報の質 19980208

先週末から、カリフォルニアはずっと雨が続いています。エルニーニョの影響と言われています。低地や地盤の緩いところは浸水や地滑りを起こして、ハイウェイもたびたび寸断されています。さすがに精神的にもふさぎがちになり、あのカリフォルニアの晴天が待ち遠しくなります。雨にはインドアの話題ということで、今回はインターネットで提供される情報の質について考えてみたいと思います。特に最近、日本語のデータで系統的に調べものをしましたので、その時に使った実感も含めて考えてみたいと思います。正直言って、紙の本を質的に超えた、と言えると思います。

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【復刻】 015 シリコンバレービジネスと気候の関連 19971215

シリコンバレーに8月に引っ越してきてから、まだ4ヶ月しかたっていないのですが、以前住んでいた街と比べて気候はぜんぜん違うというのが実感です。8月から10月一杯までは、雨が降ったという記憶はほとんど無いのですが、11月に入ってからは、逆に天気の日の記憶が少なく、やや戸惑いを感じています。今日も夜半まで雨が降った後、今はどんよりとした天気になっています。

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【復刻】 008 シリコンバレーの自然 19971020

シリコンバレーにも秋がやってきましたが、私にはあまり季節の移り変わりの感じはしません。
確かにプラタナスは黄色い葉を落とし始めましたし、コスモスも咲いています。でも、やしの木が街路樹として立っていたり、今でも泰山木の花が咲いていたりして、今一つ季節の感じがしないのです。確かに朝晩は、寒くなりました。でも、何かが違う季節感です。いろいろな季節が、折りたたまれているというのが、正確な表現かもしれません。それは、気温の変化にも表れていて、真冬でも冷え込まないこととつながっているのかもしれません。もう少し、詳しくご紹介します。

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【復刻】 004 南部とシリコンバレー比較 その3 19970922

シリコンバレーの経済の背景
先週はシリコンバレーで働き、生活する人を人種という観点から見てみました。今週はシリコンバレーの経済的な背景を見てみたいと思います。

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【復刻】 003 南部とシリコンバレー比較 その2 19970915

前回では、地理的な比較をしましたので、今回は人種的の構成比率でシリコンバレーを比べてみたいと思います。南部とシリコンバレーだけですとデータが偏りますので、全米での比較を入れてみたいと思います。手元にあるデータで比べると以下のようになります。

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【復刻】 002 南部とシリコンバレー比較 その1 19970908

以前住んでいた、Charlotteという街は今にして思えば、典型的な南部の街でした。南北戦争では、南軍に属していましたし、プランテーションと呼ばれる奴隷制度のなごりをとどめた広大な農園の跡も残っています。それに対して、シリコンバレーは西部に属する、米国では比較的新しい街になります。ご承知のように、1840年代のゴールドラッシュが、西部への人々の移動をうながしたわけで、それは今からほんの150年ほど前のことです。そして、奇しくもシリコンバレーは、ゴールドラッシュのあった場所とあまり変わらないところにあります。今のところは、引っ越してきてまだ一ヶ月にしかならないので、比較できる範囲は限られますが、私の目から見た南部とシリコンバレーの違いを今回は地理的な要素を中心に比較してみることにします。

 

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【復刻】 001 発刊にあたって 19970901

このたび、私はSunnyvaleという、Silicon Valleyの中にある街に移りました。
ここは、今まで住んでいたNorth Carolinaとは同じ米国ではあるのですが、非常に多くの点で違っているところです。ご承知のように、現在はここから新しい技術やビジネスが次々と生み出されています。ここでの、新しい挑戦にはエキサイティングな面とそのむづかしさを、実感しておりますが仕事の幅をひろげつつ、今まで以上に質の良い情報をお送りしようと思います。ご支援、ご期待のほどをお願いいたします。
 
今までのWeekly(1)をお読みいただいていた方々にとっては、今までと基本的な考え方は同じで、現地、現物、実感、感動をお届けできればと思います。また、広い意味での技術の動きや、シリコンバレーに生活し、ビジネスする人々の生活様式や行動様式、生活環境の情報をお届けしたいと思います。タイトルは、Lafayette Dr. Digital Weeklyです。これは、私の住んでいるところが、Lafayette Driveという通りなのでそれにちなんでつけました。Digitalとつけたのは、できるだけ毎回、デジタルの画像情報をお送りしたいと思うからです。
これは、E-Mai(2)に写真や画像をつけることにより、現地や現物の姿をご覧いただくためです。もちろん、拙文の理解の補助になることはうけあいです。

まだまだ、実生活では引越しの片付けものこっていますし、仕事や生活の基礎を作るだけで精一杯ですが、今後いろいろと勉強しながら情報を密度高くしてゆきたいと思いますので、皆様の率直なご意見、ご感想をお聞かせください。

ひとまず、創刊のご挨拶を申し上げますとともに、まだまだ残暑が続くようですが、皆様のご健勝をお祈りいたします。
 

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