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【復刻】 121 20世紀から21世紀へ 20000924

20世紀がどんな時代であったのかと言うことを、大分前から考えてきたけれど、ひとつ大きな特色は、物質と言うものをかなりのところまで、コントロールしてきたことが言えると思う。象徴的な出来事のひとつは、コンコルドの終焉である。人類が空を飛ぶことを可能にしたのが今世紀の初めであったが、スピードの向上はほどほどのところ、音速以下であったという結論になるであろう。経済性と言うのは、物質と交換する関係を指すわけだから、その意味でも、物による限界を極めたことになる。もうひとつの、物質の出来事で今世紀に起こってしまったのは、ヒトゲノムの解析終了宣言である。私は、このことは21世紀のことと思っているうちに、今世紀の出来事となってしまった。これも、生体を物質として捉えると言う点で、物質的なアプローチの成功事例と言えるだろう。このことから、私は20世紀が物というものを、とことん突き詰めてきた時代だと思う理由である。

 

次の時代に引き継がれるもの
しかし、20世紀にはその前半に量子力学が発見され、世界は確率で作られているということが判ってしまった。もちろん、日常的には通常のことが、予想通り起こるのが普通であるが、そうでないことも起こって不思議ではない。あの、エサキダイオードはその原理を利用して作られた。しかし、物質を構成する粒子は、まだ根源的なものにはたどり着いていない。そして、DNA解析以前のバイオ研究が、細胞から先の細分化された研究をしたものの、それが不充分だったために、生命挙動を説明する方向から遠ざかってしまった。これらの、時代の流れの中に現在があるということが、とても興味深い。今日現在、20世紀から21世紀に引き継がれるものを考えるのはとても興味深い。私は、インターネットは次の時代への橋渡しだと思っている。このことは、21世紀には、国境や政治や宗教を隔てなく考えることが必須となることを意味する。その理由は、ひとたび人間がネットワークを使い出すと、それはひたすら広がりつづけて行くからである。国境を超え、政治や宗教の相違を超え、人間同士のつながりが発生するわけである。その時の人間は、お互いの共通点から接触が始まる。ここでは、世界の優れた考え方が、共通認識となる。この意味で、インターネットと言うツールが地球上にできたことは、21世紀の社会を予見する上で非常に重要である。もうひとつの、ゲノムはどうであろうか?これは、完全解があと数年かかると言われているけれど、私には、いくつかの奇妙な点が気になる。まず、遺伝子の中で有効な情報を出す部分は、全体の5%であると言うこと。生命の働きの合理性を見てきたものにとっては、この数字は余りに低い。しかも、同じように、大脳の働きについても、人間に一生に使いこなせる部分は5%であると言う。私にはこれは偶然とは思えない。また、複雑系という考え方や、開放系における自己組織化など、世界の構造を変化させる要因などが証明されてきている。インターネットも開放系であるし、21世紀には旧来の閉鎖系には見られない現象が起こることになるだろう。

あれこれ考えると、20世紀に問題提起されて、結論のついたものは無いことがわかる。これは21世紀が、われわれに、世界観を含めて新しい世界を考えることを要求していることではないかと考えている。

 

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