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【復刻】 033 ネットワーク社会と縦型社会 19980427

インターネットが国境の壁や、階層、思想を超えながら世界中に広がる状況は、文字通り「世界はひとつ」「人類としての一体感」を実感させます。その中で、日本はこの利用に少しばかりためらいが大きいように思います。なぜそうなっているのか、私自身の経験を踏まえて、論じてみたいと思います。特に最近友人から教えられた、アドラー心理学という中に、縦社会の発想ということと、横社会という考え方があることがわかり、これはちょうど、旧来の会社社会と、ネットワーク社会とを対比するのに適切な表現だと思うので、これに基づいて考察してみました。ちなみにこの心理学は1920年代ころのものだそうです。詳しくお知りになりたい方は、城内さんにお尋ねください。E-Mailはshirouti@bronze.ocn.ne.jpです。

インターネットの発達の歴史
インターネットの発想は40年前に作り上げられました。はじめは、軍事的用途として、コントロールセンターが核攻撃で破壊されたとき、どのようにシステムを補完(バックアップ)するかという研究から始まったのです。そのことは、縦型社会のトップがいなくなったときに組織はどのようにバックアップされて、動かされるかということでもあるわけです。そして、米国ではトップの意向に対して、縦型ではなくフラットな組織が、動きも早くコストもかからないということで、この考え方をビジネスに入れて会社の経営が進められています。4年ほど前からはインターネットを商用に使う事も認められ、急速な発展をとげることとなりました。現在接続されている端末はすでに1億台を越えたともいわれており、日本での普及も急速に進んでいるようです。このようなインフラは人類史上初めてであり、今後の発展の可能性を想像すると、ほとんど無限の可能性を持つと言っていと思います。インターネットと関わる中で、日本人が直面している問題と、今後の展開を述べてみたいと思います。

インターネットの特質
インターネットはすべて自前で行うのが原則で、探したいものは自分で探しにいかなければ、見つけられない仕組みになっています。これは、縦型の社会で上位者は下位者より情報が集まる仕組みとは本質的に異なります。この中で、日本人にとって新しい経験となるのがネットワークなる概念だと思います。これは、平たくして表現すれば、個人と個人の対等関係といいかえられると思います。それは、直接話す人は、従来の会社や組織と関係なく個人として話すケースが多いからです。意見は対等であるしお互いの信頼関係以外に、結び付ける要因はないと考えられます。

個の主張は、打たれる杭か
では、個の主張が多いと日本では、出る杭は打たれると言いつつその個をつぶしにかかりますがインターネットではどうでしょうか。答は、出る杭は伸ばされるとなると思います。その理由は今まで、主張されなかったがゆえに「知られざる」意見も、ひとたびインターネット上に登場するや、多くの人の目に止まる事になるわけです。そしてそれを見る人は、個人として見ることになり、個人として判断をすることになります。この事は志を同じくする人たちとのネットワークを容易に構築できる事を意味します。そしてもし共鳴できればそれから後は、個と個がお互いの意見を発展させつつ成長するサイクルへと入って行く事になるわけです。こう考えると、従来埋もれていた意見も、ネットワークのおかげで日の目を見る事になるし、人々の輪も国境を越えたおおきな広がりを持つことができるわけです。

持つべきは自己の意見、そして友
このようなネットワーク社会が見えてきた現在、我々は一体何をすべきでしょうか。一言でいって、自己の意見を述べる事ではないかと思います。それは、個人個人が送ってきた人生を表すものであって、わざわざ意見を述べるために用意するものではないと私は考えます。あなたの歩みこそ、あなたの人生そのものこそ自己主張であるからです。それが、明確になると、世界中にあなたと同じ考えを持った人がいない事がわかるし他者の存在を認めることが容易になります。インターネットのホームページは無数の自己主張の塊です。この中に、悪びれず入っていったら良いと思います。そうすれば、友は近づいてくるし、あなたも友を探す事が出来るのです。私事で恐縮ですが、私は米国にいる間に、沢山の日本に住む友人が出来ました。インターネットで知り合い、日本で会うこともあるし、米国に来てもらって会う事もあります。ひと昔前の駐在では考えられなかったことですが、一つの事実です。そして、友が増える事こそ、人生を豊かにする上での必須事項であったことがもはや、手の内になってしまったのが、世紀末の現在の実像だと思います。

ネットワークは信頼関係から
このような世界も、自らを広い世界に漕ぎ出し、そして相手とのつながりを求めて初めて成り立つわけです。もちろん、その世界も善人ばかりではないでしょう。しかし、ネットワークは信頼関係からしか発生しないのです。たとえ何度かはだまされることもあるかもしれないけれど、それでも、ネットワークは自己増殖を続けて行くのです。今からでも遅くありません。インターネットの中へみずから入り、そして個としての人間として振舞いませんか。それは、現在日本にとって一番必要な行動力の源泉だと思いますがいかがでしょうか。

 

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