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【復刻】 032 ネットワークを使った世界と日本 19980420

米国での仕事のやり方を見ていると、ネットワークをうまく使いこなしている事に気がつきます。いろいろなデータをコンピュータに入れて、そのデータを必要な人に次々と送ると言うシステムが、うまく出来ています。今回はその実態と背景をご報告したいと思います。

 

単機能をつなぐのがネットワーク
これは、ある意味では当然なのですが、ネットワークは、単機能をつなぐところから始まります。たとえば、データを入力すると言うのは、レジでクレジットカードの番号を打つという事でもいいわけです。ひたすらキーボードを打つということの積み重ねなわけです。そこで打ち込まれたクレジットカードの番号を、必要なところに送ってゆくために、データを送るための接続をします。それによって、はじめに打ち込まれたデータが送られ、たとえば、同じ番号の人の過去の買い物履歴などをチェックしたりします。そしてデータは次々と加工されて行くわけです。その時に必要な事は、データをひたすら打ち込む事で、加工のところは、データがしっかりしていると、いろいろな処理が出来るのです。ですから、先進国はデータを集めるという事と、データの活用法を必死に捜し求めています。これが、情報化社会への大きな道筋です。そして、データを入れて、送って、加工して最後に価値ある形に変える事がビジネスの中でも大きな割合を占めてきていると思います。単純な例では、為替レートの変化に対応した売買など、データで判断すると言うことが、本質になってきます。データそのものが、非常に大きな意味と、価値を持つという社会状況になっているのがおわかりいただけると思います。そしてさらに、データを加工する事で、投資や会社経営が行われる時代になっているのです。

米国のネットワーク
米国は、本当にデータを取る国だと思います。身近な例で見つけたのですが、交通信号は交通量に応じて青、赤の点灯時間が変わります。これは、交差点の近くに設置されたセンサーが車の台数をカウントして、点灯時間の最適化をはかるそうです。確かに私の経験でも、車の混み具合に関係なく信号の2回待ち以上はほとんど経験した事がありません。このようなところまで、データが取られ、使われているのが現状です。ですから、現在では日本の会社の生死をも左右するといわれる企業の格付けなどと言うのも、すべてデータをもとにつけられます。具体的には公開された情報はすべて調べるのと、過去の実績、将来の展開などを
見ながら、格付け会社が「判断」をします。そして、その情報を買ってくれる顧客に売るわけです。いい加減な情報では、顧客がつきませんからたとえ、民間であっても質の高い情報を作る事になるわけです。ですから、データがとても重要視されるのと、データ加工にいろいろなノウハウを持つ事が、ビジネスとして大きく意味を持つ事になります。

日本のネットワーク
日本のネットワークについてはいくつかの特色があると思います。一つは、人が関与する部分が大きい事、もう一つはシステムとして、閉ざされていることが特色ではないかと思います。前者は、仕事の引き渡しを考えてみると、仕事を担当した人が、次にわたすところまで面倒を見る事によって、始めて動き出すという要素が強いと思います。それが出来る人間を「仕事が出来る」「気働きが良く働く」と高く評価されます。次には、ネットワークと言うのが、会社や本人の帰属する組織を中心に形成される事です。このことは、帰属する組織での相互関係を中心にネットワークが進むと言う事であり、常に組織の影響を受ける形になっています。

経営合理化とネットワーク
こうしてみると、経営という中味が、情報をもとにした人、物、金の流れですから、どのようにネットワークに情報を流すかということが、経営そのものと考えられるわけです。米国の経営は、極端に言ってしまうと、ネットワークに合うように組織や、仕事の細分化、システム化を図ったところにあると思います。言い換えると、情報それ自身をネットワークにのせて、人間の関与する部分は、情報の加工、判断にしてしまった事ではないかと思います。しかも、イントラネットと言う、組織から外へも広がるネットワークを使う事にまで発展しています。それに対して、日本的ネットワークは、ようやく広がりを見せつつ使われ始めましたが、まだまだ「組織の論理」=「閉じたつながり」にとどまるケースが多いように思われます。これからの日本が変化してゆくためには、組織を越えたネットワークをつくる努力と、個人が積極的にネットワークに入って行くと言う2つの面を急いで作り上げないといけないと思います。これが、グローバル化の真の意味であり、日本が世界に貢献し、生き残り続けるために必要な事だと思うのですが、いかがでしょうか。

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