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【復刻】 014 あるクリスマスパーティ 19971208

今週は、私が参加したクリスマスパーティのご報告をします。

ランチタイムのクリスマスパーティ
今年の会社主催のクリスマスパーティは、会社の近くのホテルで開かれました。今日は金曜日です。時間は11:00から13:30までのランチパーティ方式です。私の所は、事業所で製造もしていますので、日ごろ顔を合わせることが少ない、オペレーターの人もたくさん参加します。今回は事業所員の95%が参加して、100名ほどのパーティになりました。私たちは、会社から4人で車を乗り合わせてホテルまで行きました。ホテルのロビーにはきれいにクリスマスツリーの飾り付けがしてあって、クリスマスの雰囲気にあふれていました。準備された部屋に行くと、各自で飲み物とオードブルをとりながら、テーブルごとに集まって話をしていました。(飲み物はすべてアルコールは含まれません)そんな雰囲気の中で、パーティは始まりました。

 

末期ガンの従業員の挨拶
司会者(会社の人事部の社員です)が、Special Guestを紹介しますと言いました。クレードという名前で、今年38歳、2歳の子供を持つ社員です。彼は、胃がんのため、入退院を繰り返しています。昨日まで病院を抜け出せるかどうか、わからない状態でした。しかし、今日はやせた体で会場に姿を現しました。彼を知っている従業員たちは駆け寄って、彼をHugします。彼は、にこやかに挨拶を返します。彼は末期のガンで、医者からは、あと2週間の余命と宣言されています。今日は、医者の許可も出て、このパーティに参加できました。しかし、あと20日後の、今年のクリスマスは見る事ができないかもしれないのです。司会者は、彼に歓迎の言葉を語りかけます。私たちは、あなたのことを忘れない。あなたが、私たちにしてくれたこと。みんな、あなたに感謝しています。いつまでも、思い出が残ります、と言います。会場は静かになります。そして、その言葉が終わると、彼に大きな花束を渡しました。クレードはみんなの前に出て、それを受け取って、お礼を述べます。ありがとう、皆さん、本当にありがとう。少し涙声でしたが、しっかりした口調で挨拶をしました。静かになった会場でしたが、彼の挨拶が終わると大きな拍手が起こりました。
そして、パーティは次へと進んで行きます。

子供連れの工場長
つぎは、工場長の挨拶です。彼は4歳の長男を会場に連れてきていました。彼が挨拶をする間、社員で彼の教会友達がその子の面倒を見ていました。この社員は、工場長と教会で知り合い、その縁で現在の会社に入ったそうです。工場長と話をしている時にその教会友達のことも話題になるのですが、仕事の上では、上司・部下の関係だけど、親友だから直接の命令はしないようにしているんだ、と言っていました。確かに、組織図でも直接の指示はやらない形になっています。
彼は、みんなに年末の操業計画を簡単に話して、メリークリスマス、と言って挨拶を終わりました。

さあ、ランチだ
次は、新しく発足した組織のメンバーの紹介があって、いよいよランチです。ビュッフェ方式で各自好きなものをとります。そして、メインは七面鳥です。七面鳥は、低脂肪で健康に良いと言われているので、米国では最近食べる人が増えているそうです。私も、そこそこお皿に盛りつけて食べました。クレードは食事はとれませんが、テーブルの人たちと話をしています。テーブル毎には、メンバー紹介や、クリスマス休暇の予定などの話題が上っていました。デザートも含めて皆が食べ終わった頃にクレードは席を立ち、友人に挨拶をしながら部屋を出ました。病院に戻るのです。部屋の出口で彼は、しばらく立ち止まって名残りを惜しんでいました。

それから、クリスマスソングの掛け合いそしてお楽しみプレゼント抽選会
食後に、みんなで歌を歌いました。クリスマスソングをテーブルごとに輪唱して行くのです。第1テーブルから第12テーブルまでそれぞれのパートを歌います。途中おどけたしぐさなどを入れて、会場は盛り上がります。時間にして20分でしたが、みんな楽しく歌いました。
最後は、抽選会です。クリスマスプレゼントとして、ホテルの宿泊券や、TV-VTRセットなどが当たります。7人に賞品が出て、散会となりました。どうも、当たる人は毎回のように貰うらしく、今回もくじ運のいい人がTV-VTRセットを貰ってゆきました。私も、日ごろの陰徳のせいか、クリスマスお菓子セットが当たりました。

こうして、クリスマスの雰囲気は、一人一人にしっかりと伝わって行きます。このクリスマスパーティのおかげで、私にはいつもと違った会社の持ち味、社員の人たちの意識を感じることができました。クレードへの心遣いと彼の挨拶は、私たちみんなに思い出として残ると思います。
そして、私たちは仕事場へと戻りました。

 

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