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【復刻】 090 日本的なものと西洋的なもの その3 19990925

最近、千年紀(Millennium)という言い方で、今度の2000年以降新しい千年紀になるということが言われています。では、今の千年紀に入る前に何があったのかを見てみると、キリスト教徒の国土回復運動が盛んになり、そしてローマに巡礼をするのが盛んであったとあります。また、神聖ローマ帝国が西暦962年に成立し、僧職と俗の並立制が成立したとあります。それと同じ頃、中国では宋が中国を統一しています。日本では藤原氏の全盛時代で、紫式部や清少納言などの女流文学者の活動が見られたのも、ちょうどこの頃でした。そうやって見ると、前回の千年紀での大きな動きは宗教を含めて思想活動が盛んになった頃なのかもしれません。

 

おごる平家は貿易立国
平家の事について、記述しないわけには行きません。平家は宋との貿易を盛んに行う事で、多額の宋銭を日本にもたらしました。いわば貿易立国を試みたわけです。そして、平家は一族を挙げて仏道に励みます。厳島神社にある「平家納経」は平家一族が分担して写経したものです。一度見る機会があったのですが、あでやかな来迎図と、一族の高位の人々が分担して行った写経量やその文字の美しさに、信仰心もさる事ながら文化というか美を感じる事が出来ました。
そして、宋との貿易が盛んになるにつれ、九州や瀬戸内あたりには、高度な航海技術を持った人々が集まるようになってきたのです。

鎌倉時代から室町時代へ
鎌倉時代の宗教という意味では、思想としては親鸞の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」の逆説的論証でしょう。私は詳しい内容は説明できませんが、信心により、人間だれしもが救われるということを論証しています。決して国家の宗教思想というレベルにはなりませんでしたが、庶民の中には浸透して行きました。それとは別に、人間はなるようにしかならないといって、山の中にこもってしまう文化人も現れました。その代表的なのが吉田兼好でして、その著「徒然草」のは時代に対して、流されて行く一人の文化人の姿が描かれています。そうこうしているうちに、鎌倉幕府は滅亡し、室町幕府へと変わります。室町時代には蒙古の襲来が2度ありました。(1274、1281) 結果としては、蒙古軍が海上戦に慣れていなかったことや、当時の季節風の発生により、蒙古軍は日本に上陸すること無く撃退されました。

倭寇という国際海賊軍団
そして、瀬戸内の航海技術に長けた人達の中から、倭寇と呼ばれる海賊軍団が現れ、東シナ海を含む広い海上で、海賊活動をしました。室町初期にその活躍は大きく、高麗が滅びた原因の一つといわれていますし、その構成メンバーも、当初の九州や瀬戸内出身者から、明の出身者やポルトガル人など、国際海賊軍団になっていたそうです。その後、勘合貿易で室町幕府による統制が一時取られましたが、戦国時代に入ると再び、暴れまわったとあります。

戦国時代からあとの動き
戦国時代の後半に、ポルトガル人が鉄砲とキリスト教を日本の持ち込んできたわけです。織田信長はいち早く鉄砲の重要性に気付き、鉄砲の製造法を取りいれた後に、当時としては世界最高の鉄砲隊技術を確立しました。武田信玄との戦いは、新技術を取り入れたかどうかが勝敗の分かれ目となり、織田軍の圧倒的な勝利で終わったわけです。そして豊臣秀吉は、日本を統一するのですが、なぜか朝鮮への出兵も行い、結果的には敗退するのですが、15万という兵を上陸させさらに攻め込ませるというところまでやっています。そして、時代は関が原の合戦を経て、徳川家康による全国統一へと向かうわけです。

今までのところを見る限りでは、日本人の血には、農耕民族だけでなく、海洋民族の血も流れている事が解ります。その血が次の時代で、どのように変化したのかを見て行きたいと思います。
(つづく)

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