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【復刻】 036 Missionという言葉 19980518

Missionという言葉は、米国では良く目にします。会社の事業目的やプロジェクトの遂行目的を明確にするときにこの、Missionと言う言葉が出てきます。これは結構大きな意味を持っていまして、会社やプロジェクトがそのMissionを果たすかどうか、常にチェックされています。それが、会社やプロジェクトの存在理由と言っても良いと思います。では、どのように機能するのかを検証してみたいと思います。

 

Mission、GoalそしてTarget
これらの言葉は、会社やプロジェクトを始めるときに使われます。Missionは使命と訳されますが、具体的には会社やプロジェクトの役割や機能を含めた使命ということになります。GoalあるいはTargetと言うのは、どちらかと言うとMissionを通じて到達する結果とお考えいただければいいと思います。

ホームページで比べる日本企業と米国企業のMissionの位置付け
日本企業のMissionというのは、企業が歴史的に古いこともあるせいか、見つけるのが結構難しい気がします。たとえば、財閥系の大企業などでのMissionは、昔のままのでは古くなりすぎているでしょうし、今急に決めると言ってもとても難しい作業になると思います。新しい企業ではどうなっているかをホームページ見てみたのですが、日本の新興企業の代表であるASCIIもSoftbankもJust Systemも見てみましたが、企業のMissionまたはポリシーのようなものは見られませんでした。そこで、IBMとHewlett Packardのホームページを覗いてみたら、企業の目的が書かれています。URLは、前者が www.ibm.comで後者が www.hp.comです。(この比較は、各企業のインターネットの位置付けを見つけるだけでなく、企業理念や企業の行動様式を知る上で、結構大きな研究テーマになると思います。研究していただける方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。)

Missionはどう使われるか
この、Missionがどのように使われるかは、大きなポイントです。以前、日本で「スパイ大作戦」というTV映画がありましたが、この原題は“Mission Impossible”です。すなわち(一見)不可能な使命を負わされた人たちの行動をスパイアクションとしてまとめたものでした。Missionはひとたび提示されると人々が企業やプロジェクトの行動を理解し、それに関わる態度や行動を決めるのに重要と言うことになります。そして、もっと重要なことは企業やプロジェクトの存在理由をも示していることです。そのことは、Missionが終わった企業やプロジェクトは存在しなくて良いわけです。ですから、もしMissionというのが決められていると、いろいろな判断がしやすくなり、しかもその判断の中には、企業やプロジェクトそのものを、なくしてしまうと言うことまで、含まれてしまいます。昔から、日本では巨人軍は不滅ですとか、個人がいなくなっても、企業は永遠ですということが「真剣に」言われてきたのは、Missionという概念がないことと、表裏一体であるように思います。このあたりは、先代の芭蕉が「不易流行」ということで、本質的に不変のものと、どんどん姿を変えて行くもの、どちらも併せて理解することが重要だと提起できた歴史を持つ国民としては、やや面食らうところではないでしょうか。(これも、実は結構大きなテーマでして、すでに研究されているかもしれませんが、とても気になっております)
Missionの持つ大きさ
Missionがあると、いろいろな面で明確になることが多いと思います。ひとつは会社のLOGOという顔にあたる部分が明確になることです。たとえば、会社が社会に存在をアピールするときには、そのMissionが明確でないと、「社会」に対して説得できないことが起こります。それでは困るので、PRという方法や、いろいろな具体的行動で、多くの人に認めてもらうことになるわけです。そこで出てくるのが、このことを多くの人に知ってもらおうという動きです。それのひとつがPRであり、その中の典型がコマーシャルになるわけです。私の知る範囲では、例えばFEDEXという会社はコマーシャルでは“The World On Time”ということを企業のLOGOとしています。これは、企業のMissionが明確になった後にはじめて出てくるものであり、これでもって、FEDEXは物流の正確さで顧客をつかんだと言えます。その、Missionの部分に関しては、徹底的にハイテクを導入します。だからハイテクのシステムや、情報を処理することが重要な意味を持ちます。ですから現在の米国でのビジネスの動きは、最新のテクノロジーをどうやって使いこなすかと言うところで勝負が行われています。

では、Missionをどう使うか
Missionはこのようにつかわれます。それでは日本の企業の場合にはどのように使うのがいいのでしょうか。正しいかどうかは自信がありませんが、今やっていることの基盤をもう一度確認することは重要だと思います。そして、もしMissionに合わないことがあったら「やめる勇気」を持つことではないかと思います。それははじめには痛みも伴いますし、処理する人はいやなこともしなければなりませんが、一番重要なことだと思います。それがないと、次に新しいことは起らなくなると思います。私はそう考えますが、皆さんはどうお考えになりますか。

 

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