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【復刻】 056 文房具の楽しみ 19981011

私は、日本にいたときには人後に落ちない、文房具マニアでした。文房具やさんに入ると、棚を隅々まで見て、気に入ったものがあると、似たものが家にあるかどうかとは関係なく、ついつい買ってしまうほうです。最近、18年前に買い込んだ特別仕様の情報カードがやっと利用先が見つかり、800枚ほど片付きました。それまで後生大事にしていたわけですが、米国ではあまりそのような、凝った文房具にお目にかかりません。このあたりを、実際の体験から比較検討してみたいと思います。

 

文房具やさんは、スーパーマーケットぐらい大きい
米国のお店は、どれも大きいですが文房具やさんも大きいです。大体日本にあるトイザラスぐらいだと考えていただければ、想像していただけるかと思います。私は、こんなに大きなお店にどれだけ楽しい文房具が詰まっているのか、期待してOffice Depot(オフィスデポ)に出かけていったことを今でも思い出します。入ってみると、そこはほとんど「倉庫」のような棚の列で出来ている、店作りでした。

汎用品は、寡占状態のマーケット
文房具品の標準である、ノートや、コピー紙、メモ紙、筆記具、ファイルなどいろいろあります。私の経験では、日本ではキャラクター商品も含めて、文房具やさんには同じ規格でもいろいろな種類のものがあったように思います。ですから、例えば同じA4のノートでも、メーカーも違うしデザインも違うものが少量ずつ沢山の種類があったように思います。しかし、米国の文房具やさんではそれが無いのです。あるのは、同一規格の、同じメーカーのものが束ねられた数の違いと、色の違いという差別化なのです。一部キャラクター商品も見られますが、文房具に関しては、オフィスサプライという形で、規格統一化が進んでいます。そして、メーカーは限られており、同一規格のものですと多くても3社、独占供給商品も数多くあります。そして、それらが棚に数多く並べられているのです。そして、コピー用紙など、10000枚(500枚x20個)入りの箱ごと売られるものもあり、数の供給を重点においていることがわかりました。

関連商品は何でもある!
そんな単一規格商品ばかりでスペースがスーパーマーケットくらいあるとすると、ほかに何が置いてあるのでしょうか?事務用の棚や、机、いす、照明器具などと、パソコンや、FAX、電話くらいまでは納得できるのですが、その他にあるのはコーヒーメーカー、コーヒーの粉、スナック菓子(甘いものが中心です)そして、ビジネスセンターという、コピーや印刷、簡単な製本をする部署があります。もちろん、パソコンソフトや、ビジネス関連書もスペースは小さいですが、置いてあります。これらの商品群を見て、ここに来れば、オフィスに必要なものはあるけれど、私の探しているものはほとんど無いことに、気づかざるを得ませんでした。(ああ~、という感じでした)
それがビジネスなのかもしれないと考え直して、このしくみがどうして出来るかを考え直してみました。

量産と、物流合理化の結果という仮説
やはり、これだけの商品を量的にも十分揃えるという点では、量産が必要となります。そして、その物流も、大量輸送によるコストダウンを図ることになります。仕入れる立場からも同じ規格のもので売れるのであれば、必要な量さえ確保できれば、わざわざ品種を増やす必要も無いわけです。
ひとまず、現在はその仮説で大きな矛盾は出ていないので、説明できていると思っているのですが、まだ具体的な証拠はつかんでいません。

価格はどうか
私は、米国の文房具は価格は決して安くないと思っています。(1$=100円のときにそう思いましたから、現在ではもっと割高だと思います)これは、寡占から来る価格維持の結果ではないかと思っています。もちろん、私には証拠なぞありませんが、寡占の文具メーカーはそこそこ儲かっているようですし、店を変えても、価格はあまり変わりませんから、競争原理は働いていないように見えます。その意味からすると、米国では文房具の楽しみは、味わえないという感じです。

高級品と特殊品は
それでも、手紙用の高級便箋や、キャラクター商品はやや特殊なお店にありまして、小物で付加価値の高いものを扱っている店も探すとある事は分かりました。キャラクター文具は、そのキャラクターの専門店にあります。これらの店は、あまり沢山はないので、見つけるのには苦労します。これらの事実を比較してみると、日本での少量多品種というのは、一つの個性であるというのを強く感じました。米国という対象では価値のあるコンセプトに思えますが、欧州などと比べると、差別化できるのかとか、価格は競争可能になるのだろうかとか、いろいろと広がって考えることが出来ました。もしかすると、米国の文房具マーケットに、日本の品揃えというのは、面白いのではないかと思いました。

 

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