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【復刻】 081 リーダーとボス 19990612

現在の日本の経済状況を見ていて、以前日経連の会長をしていた、故鈴木永二氏の言葉を思い出します。リーダーとボスの差についての見解です。今から15年以上前になると思いますが、鈴木氏は当時、日本には、リーダーが不在である、いるのはボスばかりである、と喝破されました。その頃の私はあまりその意味が理解できていませんでした。しかし、現在考えると、素晴らしい見解だと思います。私たちは、ともすればリーダーとボスを同じような意味で考えがちです。今後、世界の中での日本の役割を考えると、ボスだけでは世の中が進まないことが分かります。今回はその点について考察したいと思います。

 

リーダーとは?
ではリーダーとはどんな人を言うのでしょうか。それは、みずから困難を引き受け周囲を引っ張って行く人のことです。アジアでも国々の指導者達は中国、韓国、シンガポール、マレーシアなどカリスマ性を持ちながら国を引っ張っています。そして、情報通信の整備や、新しい産業を興すことに躍起になっています。そして、もっと重要なことは、より大きな利益のためであれば、自分の部門にとらわれない行動が取れる人だということです。

ボスとは?
それに対して、ボスとはどんな人達でしょうか。鈴木さんによれば、ボスとは自分の部門を優先し、自分の部門の利益を再優先する人ということです。組織というものが出来ると、人間は不思議なもので、必ず帰属意識が芽生えます。その帰属意識も、考え方を間違えると、同じ民族の戦いを招いたり、帰属ということだけしか価値の無い対立になったりします。そのときの、トップの考え方が、重要になる大切なポイントです。

現在、必要なのはリーダー
現在、時代の変化がとんでもないスピードで起こっています。そして、一つ一つがすばやい行動を要求しています。しかも、一つの価値観だけでなく、多様な価値観を必要とします。これだけでも、ボスではなくリーダーが重要であることがわかります。つい6‐7年ほど前には冷戦終結で国防関係の仕事が無くなり、不況のどん底にあえいでいたシリコンバレーが復活し、そして世界の産業創出の原動力となっています。シリコンバレーで考えられた21世紀型ビジネスモデルと呼ばれる、地域からの起業の仕組みがようやく理解されてくるようになりました。実はこの活動を支えたのは、地域のリーダー達だったのです。

今考えるべき事
今考えるべき事は、いろいろありますが、まず一つは自分の利益は他人の幸せかということではないかと思います。それが、ひいてはより広い範囲での利益につながる、大切な考え方だと思います。変化する時代には、その流れについてこられない人や組織が沢山出ます。それでも、大きな流れは起こるわけですから、その時に自分の枠を超えた発想を持つことが必要になります。それから、この変化の時代は、誰もが将来などわからないのですから、自分で考え、自分で行動することが必要になります。日本経済の再生のシナリオというのは、最後すべて国民の負担で処理する構図になっています。それなら、一人一人が自己責任でやることをやったほうが、明快だし、活力も生まれると思います。

鈴木氏のもう一つの言葉
当時鈴木氏は、もう一つ言葉を言われておりました。それは、金融関係の人間の給料は高すぎる、ということでした。製造業が汗水を垂らしているのに対し、銀行は金を右から左で、給料は50%も違っている、ということを批判したものです。当時の私は、それなら製造業の給料をを高くすべきだと真剣に考えました。しかし、これだけ名目賃金が上がって来てしまうと、やはり鈴木氏の意見のほうが、先見性があったように思える気がしています。

 

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