- 2008-09-15 (月)
「通信と放送の融合」のこれから コンテンツ本位の時代を迎えて法制度が変わる
この著者は、自身でロックバンドやポップカルチャーにかかわった経験からの視点でこの本を書いている。 すなわちこれからの時代に、通信に置き換えられる「放送」をいかに日本的強み(それをポップカルチャーと解析している)に結びつけ、さらに経済効果を上乗せした構想を描く。
著者は、米国ではMITのメディアラボでの研究員の経験や、Stanford大学の日本研究所での経験を持ち、世界の中での日本の特殊性をしっかり識別している点、他のメディアの論調とは異なっているところが良い。
いろいろ考えて、通信法、放送法の改定に進み、自身は「日本の、ポップカルチャー」を世界に発信するための子どもたちとのコラボレーションを仕掛けている。(教育という視点ではないところが、日本の中では斬新である)
読んでいただければわかるが、著者は日本では通信の浸透は、携帯を活用している「若い世代」からのボトムアップによると解析している。こんな国は世界中ないわけである。 いわば使いこなしの技術とコンテンツがポップカルチャーにあるというわけである。
ITでの比較で考えると、欧米の社会ではITは、会社のトップから経済効果を図りながら浸透した構図と全く反対であることから出てくる、行動である。 これに対比する、日本のITは、形だけの導入のケースが多く、経済効果と知識レベルの向上にはほとんど寄与していない。 その結果、日本ではボトム層でのIT活用が、独自に発達している。
2011年には世界で一番早く、TVのデジタル化が進み、通信網が整備される日本。 しかし著者も冷徹に判断しているようにコンテンツや、通信を利用した流通はすでに欧米に後れを取ってしまっている日本。 ここ数年で、結論が出ることではあるが、日本人の新種に富んだ気質が、再び復興することを願いつつ、自分がシリコンバレーから、ビジネスの視点で出来ることとつなげてゆきたい。
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