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共同研究での仕事の分担 その1

  • 2007-07-08 (日)
研究からビジネスというタイトルでこのブログは書いているので、今日は共同研究での仕事の分担を考えてみたい。
IBMは、1980年代にはあらゆる研究をやっていたというくらい、研究開発力の大きな会社であった。
そして、Hard Diskの実用化も世界で一番であった。
昨年、Hard Diskの技術開発50周年記念のPartyがシリコンバレーの、Computer History Museumで開かれた。
http://www.computerhistory.org/50yearsHDD-c/
当時は、銅版に磁性体を塗布して記録再生していたが、ジュークボックスくらいの大きさで、4MBである。

我々としては、光磁気ディスク(MOディスク)も世界に先駆けて市場に出すのだと、大いに期待して共同研究を開始した。

米国と日本の窓口が決まり、書類管理のプロトコルなど、細かな契約事項が決められてゆく。
秘密保持は、ことのほか細かく「鍵のかかる書庫」「暗証番号は3ヶ月ごとに変える」「書類番号の付け方」などみっちり叩き込まれた。 そして、実験データ、ドライブでの特性データなどから仕事がスタートする。 我々スリーダイヤは横浜の研究所、水島の開発研究所が、技術から製造へのプロセスを推進する。

IBM側は日本IBMが窓口で、米国のSan Joseの研究所が指揮をとるという形であった。 月に一回は、日本側はIBMの藤沢工場に集まり、San JoseとのTV会議が行われた。 今思うと、実にきっちりとPDCAサイクルが回っていた。
金曜日の宿題を、火曜日(San Joseの月曜日)に報告することも多かった。 我々は、土日を出勤し月曜日にデータをまとめ、夕方やっとプレゼン資料の作成。 そして、過去のデータとの整合性チェックや、想定問答をやりながらしているうちに、夜になってしまう。 それでも当時は、倉敷駅 22:15の寝台特急「あさかぜ」で朝7時には横浜に着いて、ファストフードの朝食を食べながらの、打ち合わせ準備、そしてTV電話会議である。

しかし、いつも順調なわけではない 続く

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