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【本-04】 レクサスとオリーブの木 T・フリードマン

  • 2008-01-15 (火)
フラット化する世界が面白かったので、読んでみた

レクサスとオリーブの木 (2).jpgレクサスとオリーブの木.jpgレクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉

レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈下〉

1999年に書かれた本である。

シリコンバレーでの技術とビジネスの流れは、1995年のインターネット革命、そして2000年にバブルがはじけ、その後でビジネスに対する取り組み方が、実利主義へと大きく変わった。  
そして、2005年からWeb2.0革命が起こり、現在に至る。

先に、同じ著者のフラット化する社会を読んだので、流れの手の内が良くわかった。 筆者は「グローバル化」の代表として「国籍を目立たせなかった」「レクサス」と、今でも根強い「民族主義」を「オリーブの木」で表している。 日本人にはなじみが薄いが、ヨーロッパに近いところは、身近に感じる情景であろう。

しかし、2005年からの革命は、筆者が考えていたスピードよりも、もっと速く「フラット化」の本質である「ネットワーク化」が世界の人口の半分を擁する、インドと中国を巻き込んでしまった。 レクサスのグローバル化の上で「無国籍」という立場をとった戦略も、実態は、世界の企業は、国籍を問わずにどこでもビジネスの可能性があれば進出している。 そして世界中での分業も大きく進んだ。世界で仕事をするので、国籍を気にできないくらい分業が進んでしまったのである。

研究開発機関、事務処理部門、製造拠点、市場、どれもが世界中にばら撒かれているのである。 それを可能にしたIT技術と、それらを支えるBRICs諸国の技術の習得、そして技術者の世界への拡がり。
20世紀と21世紀という境目に2000年があったことは、バブルが弾けることでの断絶のあと、バブルではないもの、次の時代を変える萌芽が粛々と育っていたということである。
1995年から2005年という10年間に起こったことは、人類の歴史の中でも、想像できなかったくらいすごい事なのである。

Googleが広告会社になるということや、ましてやシリコンバレーで最大の(TOYOTAよりも大きな)市場価値を持つことなど、この本の書かれた1999年には想像できなかった。 これからできるのは、自分として、個人の知が、集団の知としてまとめ上げられる社会になるのを、見て、行動することである。 個と集団、Globalと民族、今まで決して相容れないと思われたことを、まとめ上げる社会ができてくる。 われわれは主体的に関わることができるし、少なくとも生き証人になり歴史の変化を見ることができる。  やるべきこと、やれること、どれも歴史上経験してこなかったことばかりである。 生きることの真価が問われているというのは、大げさかもしれないけれど、考えるに値することだと、私は思う。

 

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